PowerEdge第12世代製品群が即時出荷

Xeon E5搭載だけでない、デルの新サーバの意外な?ユニークさ

2012/03/08

 デルは3月7日、インテルの新サーバCPU「Xeon E5-2600」発表直後に、これを搭載したサーバ機の新製品6機種を発表した。このうち、マイクロサーバの新製品を除く5機種は同日出荷開始という力の入れようだ。

 これら第12世代PowerEdgeシリーズは、デルにとって約2年ぶりのいわばメジャーバージョンアップ製品群。「新CPUを搭載しただけのサーバ」と決めつけるのは早計と思わせる、ユニークな特徴がいくつか見られる。例えば、OSに依存しないハードウェア監視機構や、選択・交換可能なオンボードNIC、ラック単位などでサーバの消費電力上限を設定できる機能など、サービスプロバイダのサーバ管理者が喜びそうな機能が目立つ。

dell01.jpg R720vdは、Hadoopなどのための利用を意図したモデル。ハードディスクは26基搭載可能。メモリスロットも24本備える

 新CPU搭載のほかに新製品群でまず目につくのは、ハードディスク搭載密度の向上だ。2Uの「PowerEdge R720xd」は2.5インチのディスクドライブなら26基搭載可能。1UのR620でも10基を搭載できる。

dell02.jpg R720とR620がメインストリームモデル。R720はPCIeスロットにGPUを挿して使う構成をサポートするなど、「全部あり」に近い機能を提供

 「面白い」のはストレージ構成。求められるパフォーマンスやI/O特性に応じ、SSDとハードディスクドライブの組み合わせで高速化に幅広い選択肢を提供できるようになった。この数年、EqualLogicなど、ネットワークストレージを拡充してきたデルだが、最新サーバ機ではサーバ機に内蔵のデータ記憶媒体に改めてスポットライトを当てているのが興味深い。

 デルは前世代で、Fusion-ioのPCIeフラッシュメモリカードを、サーバのオプションとして提供してきた。今回、R720xdモデルでは、オプションとして2.5インチのPCieインターフェイスつきSSDを提供。これを最大4基、フロントから抜き差し可能な形で搭載できる。これらにデータベースのデータ全体やインデックス部分などを配置することにより高速化が図れる。

 高速化効果はより限定的だが、低コストの選択肢も用意されている。RAIDコントローラにハードディスクドライブとともにSSDを接続、このSSDをキャッシュとして使う方法(デルはこれを「CacheCade」と呼んでいる。同機能を提供するLSIロジックの製品名と同じだ)で、こちらの機能は標準提供。従って、SSDだけを調達すればすぐに使える。

 PowerEdgeシリーズではイーサネットコントローラをマザーボードに直付けて提供してきた。第12世代ではこれが小型ドーターボード化された。このため、メーカーとコネクタを選択できるようになった。交換も可能だ。当然、1Gbpsまでの対応製品か10Gbps対応製品かの選択も可能。このため、購入当初は1Gbpsを使っておいて、必要になったら後で10Gbpsに交換することもできる。

 管理面では、ハードウェアの監視機構が、完全にOS非依存となった。どんなOSを使う場合でも、ハードウェアの動作に関する詳細な情報を入手できる。

dell03.jpg 省電力ツールが進化した

 最後に、面白い可能性を示すものとして、省電力機能の強化がある。デルは前世代でも、インテルのIntel Node Managerという電力消費制御機能を使って、デルが無償で提供する管理ツール「Dell OpenManage PowerCenter」を通じ、消費電力の上限を設定できるようにしていた。今回、インテルがNode Managerを2.0にバージョンアップしたことに伴い、デルもこれに対応、CPU以外のメインメモリなども対象とした消費電力制御が実現した。また、OpenManage PowerCenterはサーバ単位だけでなく、複数サーバをグループ化し、グループ全体に対して消費電力上限を設定し、制限を実行できるようになった。ラック単位などで消費電力を管理できるわけで、これは便利だといえるのではないだろうか。

(@IT 三木泉)

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