複数スタックを一括設定できる機能も提供へ

ブロケードが発表した“合体でパワーアップできる”エッジスイッチとは

2012/03/09

 ブロケードコミュニケーションズシステムズシステムズは3月8日、エントリレベルのエッジスイッチ製品群を発表した。製品の利用寿命を延ばし、TCOを下げ、管理を容易にするためのユニークな機能に対応する。米ブロケードは、「手間のかからないネットワーク」(Effortless Network)というコンセプトを打ち出しており、2つの機能は「Brocade VDX」のイーサネットファブリック構築機能と並んで、このコンセプトを現実のものとするための柱だと、同社代表取締役社長の青葉雅和氏は説明している。

 新製品「Brocade ICX6430」「Brocade ICX6450」は、エントリクラスのスタッカブルスイッチ。国内販売はすでに開始されている。国内標準価格は発表されていないが、米国での価格は1295ドルからとなっている。

brocade01.jpg 「Brocade ICX6430」「Brocade ICX6450」はポート数などにより8機種で構成される

 これらの製品は、ブロケードが2013年前半に提供開始する「ミックス&マッチ スタッキング」「シングルポイントマネジメント」の2つの機能に対応しているという。同社はICX、FCXなどのスタッカブル製品群で、ソフトウェア・アップグレードを通じ、これら2機能を使えるようにしていく。

 ミックス&マッチスタッキングは、複数機種混在でのスタックが実現するという機能。すなわち下位機種と上位機種を組み合わせてスタックが組める。当面は安価な機種を購入して利用しておき、IPマルチキャストなど、より高い機能が必要になった時点で、購入済みの安価な機種によるスタックに、上位機種を1台あるいは(障害対策のため)2台追加することにより、スタック全体の高機能化が実現するという。「これにより、アクセススイッチの(利用)寿命を、3〜5年から7〜10年に延ばすことができる」と、同社エンタープライズシステムエンジニアリング部部長の村田眞人氏は説明した。特定の機能を使いたいがためにすべてのスイッチを高価なものに買い替えなくても済むわけで、これはコスト削減につながる。

 では、下位機種のスタックに上位機種を追加した場合、追加された上位製品とこれまでのスイッチとの役割分担はどうなるのか。詳細な動作については情報が不足しているようだが、既存の安価なスイッチはいわばラインカードとして使うということのようだ。追加された上位機種がスタック全体の頭脳の役割を担うことになる。

 もう1つのシングルポイントマネジメントは、複数のスタックをすべて、1つのIPアドレス、1つのCLIセッションで一括管理・制御できる機能。管理者からは、複数スタックを構成するスイッチがあたかも単一スイッチの一部であるかのように扱える。

 ICX6430はレイヤ2スイッチで、ICX6450はレイヤ3スイッチ。どちらもエントリレベルの価格ながら、上位機種は最大384ポートまでを単一スタックとして構成できるという。村田氏は、そのほかの特徴として、MACsecやEnergy Efficient Ethernet規格に対応するほか、奥行きが浅い、音が静かなどを挙げた。

(@IT 三木泉)

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