[Analysis]

日本のIT産業再生に必要なイノベーション

2002/03/05

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 IT産業を代表する企業の赤字決算、事業の構造転換の遅れ、株価の低迷など、日本のIT産業を取り巻く環境は、一様に皆厳しいと指摘する。それでは、日本のIT産業の競争力は、どうすれば回復するのだろうか?

 米インテルのクレイグ・バレット(Craig Barret)会長兼CEOは3月1日、「インテル インダストリ フォーラム2002」と題するセミナーで、日本のIT産業が世界の主導権を握る可能性があると指摘し、日本のIT産業が回復する可能性を示唆した。

 バレット氏は、次世代ワイヤレス通信や3Gの携帯端末、ブロードバンドなどで、日本が主導権を握る可能性があるという。これらの分野で日本は高い技術力を有しており、世界のリーダーシップをとるチャンスはあるとエールを送る。しかし、「そのためには、イノベーションを常に素早く行う必要がある。進み続けなければ、中国や台湾などに勝つことはできないし、成長できない」とも語る。

 もう1点バレット氏が主張するのは、製造インフラなどは海外へ移転すべきだという点だ。高い人件費のままでは中国や台湾に競争で負けるため、製造自体は海外で行い、付加価値で勝負せよというのが同氏の意見だ。

 3Gの携帯端末やブロードバンドなど、海外から日本の強みと見られている技術などを、日本のIT産業再生にどう生かすのか? バレット氏のエールから分かることは、それを素早く見つけて実践し、投資を怠らないことのようだ。そうでなければ、成長著しい他国の企業に抜かれることになるからだ。

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