[Analysis]

企業の災害対策はこの10年で進んだか

2005/01/18

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 阪神・淡路大震災が発生したのは1995年1月17日だった。この10年で企業が情報システムに依存する度合いは飛躍的に高まった。多くの企業では情報システム抜きのビジネスは考えられないだろう。しかし、情報システムの災害対策に対する企業の意識はこの10年で高まっただろうか。

 災害対策で感じるのは各企業の温度差だ。金融や公益サービスを提供する企業、グローバルに展開する製造業の災害対策は進んでいる。情報システムのインフラを堅牢にして災害に耐えられるようにしているのはもちろん、災害時のスタッフの対応や代替設備の用意など試行錯誤を重ねながら、この10年間取り組んできた。

 しかし、災害対策の対策を行っていない企業も多い。企業内に明文化された災害対策がなく、その場その場の対応になる。災害発生で情報システムが損害を受けても、ビジネスに対する損失額がどの程度になるかの算出がされていない。危うい情報システムを抱える企業が多いように感じる。

 本来は先進的な災害対策を行っている企業が自らの対策を公表し、取り組みが進んでいない企業と情報を共有できるようにするのが望ましいだろう。しかし、災害対策などセキュリティに関する事柄を進んで発表する企業は少ないのが現状だ。企業はベンダやシステム・インテグレータなどと相談しながら、一から災害対策を行う必要がある。自社の災害対策がどの程度の対策レベルにあるかが客観的に分かる指標も必要になるだろう。

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