[Analysis]

商用を脅かすか、OSSミドルウェア

2005/09/21

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 オープンソースソフトウェア(OSS)のミドルウェアに力を入れるITサービス企業が増えてきた。Linuxは商用OSと並ぶほどの存在感をすでに示している。OSSミドルウェアも今後、商用製品を脅かすことになるのだろうか。

 野村総合研究所(NRI)は8月29日、OSSミドルウェアを使ったシステム構築の推奨アーキテクチャやパラメータ設計、構築/テスト手順書などを体系化したオープンソース・サーバ基盤「OpenStandia」(オープンスタンディア)を発表した(参考記事)。NRIの情報技術本部 技術開発部 オープンソースソリューションセンター グループマネージャー 寺田雄一氏は、OSSミドルウェアが注目される理由について、「Linuxの採用ではハードウェアやソフトウェアのコストしか下げられない。しかし、OSSミドルウェアを使うことで柔軟にシステムリソースを拡張できるなどシステム全体のTCO削減につなげられる」と説明する。

 OSSミドルウェアを使うことで、特定のベンダの製品やサービスに過度に依存する“ベンダ・ロックイン”を避けることもできるという。OSSミドルウェアはソースコードや仕様が公開されている。そのため場合によってはベンダに頼ることなく、エンドユーザー自らが情報システムを修正、サポートできるようになる。情報戦略の主導権をエンドユーザーが握るともいえ、OSSミドルウェアの利用は「ITガバナンスの強化につながる」(寺田氏)。

 もちろん、OSSミドルウェアの利用に不安がないわけではない。それはOSSミドルウェアの品質や性能に関する不安、情報不足、人員不足、サポートに対する不安などだ。NRIのOpenStandiaはこの不安を解消するための基盤との位置付け。「NRIのお勧めのOSSミドルウェアをピックアップして事前検証する。商用データベースなどとも組み合わせて最適なパラメータを設定し、ワンストップでサポートを提供する。OpenStandiaではNRIのオープンソースに関するノウハウの塊だ」

 寺田氏はOSSのデータベース「MySQL」やアプリケーションサーバ「JBoss」について「チューニングによっては商用と比較して遜色(そんしょく)ない」という。特にJBossやStrutsは、エンドユーザーが採用を指名するケースが増えてきている。NRIは日本ヒューレット・パッカードと提携し、OSSミドルウェアの検証やマーケティングなどを共同で行うと8月30日発表した(参考記事)。システム構築でも協力する。

 Linuxが登場した当時、Linuxが基幹系システムで使われるまで性能が向上し、普及すると考えていた人は多くなかったのではないか。しかし、コミュニティの努力をはじめ、ベンダやITサービス企業が協力することで信頼性が格段に向上、サポート・サービスなども充実してきた。OSSミドルウェアも同じ道をたどるのかもしれない。

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