[コラム:Spencer F. Katt]
来年はボストンITパーティ?

2004/9/28


 「今日の技術分野に革命的なものはない、なんていったのは誰だ?」と吾輩は笑った。シカゴで開催されたSIMposiumカンファレンスの取材中、SIMボストンとSIMセントラル・コネチカットのメンバーが、次回のSIMposium 2005はボストンで開催すると明言した。そして完璧なコロニアル風ファッションでキメたボストン支部のリーダーは、こう約束したのだ。次のイベントは必ず革命的スタイルになる、と……。

 どういうことかというと、スパム税など、最近取りざたされるさまざまなIT“税”の導入に反旗を翻(ひるがえ)す決意なのだという。つまり彼らは、ボストン・ティーパーティならぬ、ボストンITパーティを企てているのだ。今度、ボストン港に投げ込まれるのは、アールグレイではなく、スパムというわけか。

 などと考えていると、上着のポケットから携帯電話の着メロに設定していた「Surfin' USA」が聞こえてきた。電話をかけてきたのは、サーフィン仲間の1人だった。彼は、故ニクソン元大統領の別荘があるサン・クレメンテのビーチから波を乗り継ぎ、太陽の光まばゆいサンディエゴ近郊のリゾート地、ラ・ホーヤに向かい、同地で開催されたDemomobile 2004を偵察してきたという。陽気なサーファー野郎によると、参加者の間では「Treo 650」(600の後継モデル)が来月早々にもリリースされるというウワサで持ちきりだったそうだ。台湾のOEMメーカー、ハイ・テック・コンピュータ(HTC)がパームワンに650の供給を開始したので、まもなく店頭に並ぶという。

 この650は、人気を集めた現行モデルが抱える問題点の多くを改善しているに違いない。しかしTreoの最大の問題は、じつはRIMのBlackBerryと競合関係にある点だ。いってみれば、トニー・ソプラノ(コメディドラマ『ザ・ソプラノズ』の主人公。組織や家族のトラブルに悩まされるマフィアのボス)にRIMをやっつけさせようとするようなものだな。また、サーファー野郎によると、女優リンゼイ・ローハン(映画『フォーチュン・クッキー』でジェイミー・リー・カーティスと共演したアメリカの人気アイドル)や相続人パリス・ヒルトン(ホテル王のヒルトン一族の令嬢。「ヒルトン姉妹」の姉の方)のようなセレブ向けに、ニューヨークのピーチ・ドットコムから宝石を散りばめた豪華仕様の「T-Mobile Sidekick」が出展されたとか。

 吾輩もビーズと接着剤で携帯電話を派手に装飾すれば結構ウケるかも、などと思っていると、いつもの情報屋から連絡が入った。ハリケーン「アイバン」の危険も顧みず、彼はフロリダ州オーランドのOracle Applications Users Groupカンファレンスに行ってきたという。残念なことに、アイバンのおかげでオラクルのエグゼクティブたちはみんな出席を見合わせたらしく、同社の広報部は急きょ、基調講演のスピーカーをアプリケーション技術担当上級副社長のグリフ・ゴッドウィンから、前夜祭に呼んだ自称コメディの女神、ジュディ・カーターに切り替えたそうだ。

 一方、情報屋によると、今週サンフランシスコで開催されるピープルソフトのユーザー会に出席する人々は、モスコーニ・センターの入り口に掲げられた大きな看板に迎えられるだろうという。そこには「ローソンの買収に関して敵意はありません」と書いてあるらしい。

 それはさておき、オラクルが反トラスト訴訟に勝利したことで、巷ではワイルドな買収予測が飛び交っている。コグノス、ハイペリオン、シーベルはみんな買収のターゲットであり、買収を目論むのは、IBM、マイクロソフト、SAPなどだ。もちろんラリーは、いつもハリケーンの目になることを望んでいる。

*Spencer F. Kattのコラムは毎週月曜日(月曜日休日の場合は火曜日)の更新予定です

[英文記事]
Simmering Rebellion

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