[コラム:Spencer F. Katt]
チャールズとサンジェイの不仲説はカムフラージュ?

2004/3/9


 「おい、ちょっと待ってくれ。“こびへつらう”という言葉は、吾輩のためにあるようなものだぞ」と怒鳴り声で騒ぐ姿を遠巻きにしながら、eWEEK編集部のスタッフは、吾輩がいつも出張先から記事を送信してくることがどれほど幸運なことであるかを再認識したに違いない。

 吾輩を興奮させたのは、あるインスタント・メッセージの情報だった。それによると、バブルがはじける直前にBroadcast.comをヤフーに売却して大もうけし、ダラス・マーベリックスのオーナーになったマーク・キューバンが、ABCのリアリティショー番組「ザ・ベネファクター(後援者)」に100万ドルを拠出するそうだ。30人の挑戦者がキューバンのベスト・フレンドになることを目指し、最後に残った勝者がその賞金を獲得するという。そんなこと、吾輩のような変節漢には朝飯前だぜ。がはは。

 などと取らぬ狸の皮算用をしていると、突然、携帯電話の呼び出し音が吾輩の夢想を打ち破った。旧知の情報屋からだった。彼の話によると、コンピュータ産業からショービジネスに身を投じた技術者がいるそうだ。それは電子商取引ソフト会社ATGの創立者で、元CEOのジート・シングだという。会社を辞めたあと、カリブ海のセント・バーツ島に70エーカーの大豪邸を建てたシングは、最近、ミキ・シングと名乗って「ドラゴンフライ」というロックバンドでリードボーカルをやっているのだとか。

 ドラゴンフライねぇ。あ、フライで思い出した。吾輩はRSAのイベントを取材するため、サンフランシスコに飛ぶ予定だったのだ。大急ぎでオフィスを飛び出すと、外で30分も客を待ち続けていたタクシーの運転手がカンカンに怒っていた。

 モスコーニセンターに到着すると、うれしいことにイベント会場には無線LANが敷設されていた。もちろんその作業はマイクロソフトが請け負っていた。RSAは、オフィシャルでマイクロソフトのProtected Extensible Authentication Protocol(PEAP)とMS-CHAPバージョン2を採用していた。それらは最新OSのWindows XPを安全にサポートするために設計された技術だ。古色蒼然としたWindows 2000 Professional SP2を利用する吾輩は、どうやら時代に取り残されてしまったらしい。もっとも、RSAのイベント担当者は、ハードラインでファンク・ソフトウェアのOdysseyクライアントをダウンロードできるようにしてくれたので、吾輩のポンコツもなんとか無線LANに接続し、ローミングが可能になった。

 その後、吾輩は業界の事情通を誘い、ビールでも飲みながら情報交換しようと、「サースティ・ベア」へ向かった。その彼がいうには、コンピュータ・アソシエイツのチャールズ・ウォンとサンジェイ・クマーの不仲説はカムフラージュらしい。CA関係者の話によると、この親分と子分はいまも親密な関係にあり、2人が距離を置いているようにみえるのは、CAが司法省と証券取引委員会の査察からチャールズを守るためだという。しかし先ごろ、ICANN SP部門を統括していたチャールズの妻ナンシー・リーも、警備員にエスコートされて同社を去ったではないか? 彼女は非常にショックを受けた様子でセント・バーツ島へ向かったと報じられた。が、事情通は、それについても疑問が残るという。彼女が去るとき、車のドアまでエスコートしたのは、「人々の注目を集めるための演出に過ぎない」というのだ。

 そんな話を聞き流しながら、吾輩はバーのカウンターからモスコーニのWi-Fiリンク経由で記事を送信しようと、むなしい努力を続けていたのであった。

*Spencer F. Kattのコラムは毎週月曜日(月曜日休日の場合は火曜日)の更新予定です

[英文記事]
Moscone Madness

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