[コラム:Spencer F. Katt]
アップルが「Mactel」を商標登録?

2005/6/28


 なんともはや“Longhorn”というのは、裁判が終わったあとのマイケル・ジャクソンのベッドルーム以上に空疎なものになりそうだな。と思ったのも、マイクロソフトが新しいシェル・スクリプト言語“Monad”を同OSから「落とす機能のリスト」に追加したというニュースを耳にしたからだ。

 しかし、そのとき吾輩にはLonghornの運命についてゆっくり考える時間がなかった。ケンブリッジに住むアップル・ファンの旧友と情報交換するために、ボストンから橋を渡ってケンブリッジサイドのショッピングセンターへ急がなければならなかったからだ。ショッピングセンターに着いた吾輩は、アップルストアにいた友人をようやく店から引きずり出し、表通りを挟んだ反対側にあるレストランのバーまで引っ張っていった。

 友人はカルバドスを一口すすったあと、話し始めた。なんでもMacファンの間では最近、アップルが“Mactel”という商標の登録申請を出したというウワサがまことしやかに囁かれているそうだ。アップルはさきごろ、Macへのインテル・チップ採用を正式に宣言した。そのことから、同社がMactelという名前でなにかするかもしれないという憶測を呼んでいるらしいのだ。もし、アップルがそんな名前に社名変更したら、おそらくビートルズの弁護士たちは仕事を1つ失うだろうね。

 ところで、吾輩の旧友によると、iPod愛好家たちの一部で、www.itunesperipod.comの一方的な推測に批判の声が上がっているそうだ。このWebサイトは、iPodユーザーがどうやって音楽を入手しているのか疑問を投げかけている。iPodの販売数が290万台以上といわれていたとき、iTunesからのダウンロード数は6000万曲程度だったという。これらの数字から単純計算すると、iPodユーザーがiTunesストアから購入した楽曲は、1台あたり平均21曲しかない、というのだ。

 そんな話を聞きながら、吾輩は窓の外に見えるロータスの本社ビルを眺め、Domino 7.0は当初、DB2をサポートしないというウワサは本当だろうか、とぼんやり考えていた。

 そのときポケットのキャットフォンが鳴った。もしかするとオラクルのボス、ラリー・エリソンを密かに監視している情報屋からかな、と吾輩は少し期待した。なにしろ同CEOは最近、世界一リッチな大学に1億1500万ドルとも言われる巨額の寄付を申し出たらしい。そういえばハーバード大学のラリー・サマーズ総長もエリソンと同様、面食らうほど過激なフェミニストで有名だったな。

 ま、そんなことはどうでもいいが、電話をかけてきたのは、知人のシステム管理者だった。彼は、マイクロソフトのISA Server 2000から同2004へのアップグレードにともなう機能強化については高く評価するが、旧バージョンのアクティブ・キャッシング機能がなくなったのは、非常に残念だと話す。キャッシュしたアイテムを自動的にアップデートする機能は、どうやらISA Server 2004のファイアウォール機能とうまく共存できないようだ。

 電話を切ったあと、吾輩はウォルマートが来年の第1四半期からVHSテープの販売を中止するというニュースを耳にした。多くの人々は、この決定をVHS方式の死亡通知と見ているようだ。近所の婆さんたちまでネットフリックス(オンラインDVDレンタルサービス)のユーザーになるくらいだから、もはや時間の問題ではあったけどね。

 その夜、吾輩はケンブリッジの旧友に付き合って、MITのビジネスフォーラム「最悪のビジネスプラン・コンテスト」に出席した。前回は、「ISoldMySpouse.com」(配偶者売買ドットコム)という架空の会社のプレゼンテーションが優勝した。今回優勝したのは、「Fuel Asset Recovery Transport System」という架空のメタンガス再生ビジネスに関するプレゼンテーションだった。頭文字(fart:おなら)からして、あきらかに臭そうだ……。

*Spencer F. Kattのコラムは毎週月曜日(月曜日休日の場合は火曜日)の更新予定です

[英文記事]
Cantabridgian Capers

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