[コラム:Spencer F. Katt]
IDにallahの文字列はOK?

2006/3/7


 「ビッグブルーはマクブライドを知っている奴を片っ端からパンケーキの間に挟み込むつもりだな」と、吾輩はボストンのマクドナルドで弁護士の友人と朝食をとりながら笑った。IBMが、UNIXをめぐるSCOとの知的所有権訴訟にマイクロソフトやHP、サン、ベイスターまで召集したそうだ。しかし、なんだな、共同謀議のテロリストたちは「世紀の裁判」を目指す前に、もっと邪悪なライセンス方式を白日の下にさらす努力をすべきだと思うよ。この訴訟、O.J.シンプソンのカーチェイスより長引きそうな気がする。

 「裁判といえば」と友人が話し始めた。「マイクロンがラムバスをチップの特許侵害で訴えたけど、ラムバスが証拠隠滅を図っていると非難しているな。つまり“汚れた手”(良心に反する行為があった場合、救済は拒否される)だというわけだ」。その言葉を聞いて吾輩は、口にほおばったベーコンや目玉焼きやチーズが汚れた手で扱われたのではないかと心配になり、一瞬食欲が遠のいた。が、考えてみれば、厨房のスタッフはみんな衛生的なラテックスの手袋をしているはずだった。

 吾輩は朝食を横にやり、友人に面白いニュースを1つ紹介した。それはポール・デルというフランス人が彼のWebサイトの名前、www.dellwebsites.comをめぐって、似たような名前のコンピュータメーカーから訴えられたという話だ。彼は、メーカーの言いがかりは不当だと主張し、オンラインで正当防衛のための資金を募っているという。吾輩は、「スカイブリッジ・キャピタルに支援を仰げばいいかもしれない」と笑った。マイケル・デルが関係する巨大なファンドは最近、運用資金が3億3000万ドルを超えたと発表したばかりだからね。

 一方、友人は今月始めに、ギル・アメリオ、エレン・ハンコック、スティーブ・ウォズニアックのアップルコンピュータOBたちが、アクイカー・テクノロジーという企業買収を目的とする新会社を設立したという話を聞いたそうだ。その3人がウォータークーラーの傍らで立ち話をしていたら、壁のハエにでもなって盗み聞きしたいものだね。

 すっかり胃袋がマックフルになった吾輩は、辣腕弁護士と別れ、タクシーを拾ってオフィスに戻った。すると、ヤフーが登録IDに“allah(アラー)”の文字列が入ることを禁止する措置を解除したという情報が届いていた。そういえば先週、キャラハン(Callahan)という名前のユーザーが、Yahooメールの受信を拒否されたことが明らかになった。メールアドレスに“allah”が含まれていたからだ。

 それはさておき、マウンテンビューで開催された「MashupCamp」カンファレンスで優勝したのは、podbop.orgというマッシュアップだった。開発者のテーラー・マクナイトに賞品のNiagaraブレードサーバを贈ったサンの社長兼COOジョナサン・シュワルツは、自分のブログの中で、優勝者がそのとき「どうやって飛行機に持ち込めばいいのか?」と聞いてきたと書いている。シュワルツは、米国政府が1996年、暗号アルゴリズムの国外流出を防ぐためにブレードサーバを軍需品に分類したことを指摘し、実に的確な質問だったとしている。

 しばらくして吾輩の携帯電話がなった。かけてきた友人の話によると、グーグルはスマートな人材だけでなく、ブリリアントな人材も迎え入れたらしい。同社は、Google.orgのエグゼクティブ・ディレクターにラリー・ブリリアント博士を指名したと発表したそうだ。ドクター・ブリリアント! すごいね。まぁ、彼らのモットー「Don't be evil」からすれば、ドクター・イーブルは採用できないからな。

*Spencer F. Kattのコラムは毎週月曜日(月曜日休日の場合は火曜日)の更新予定です

[英文記事]
McRumors, McGossip, McInnuendo

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