[コラム:Spencer F. Katt]
マイクロソフトとシスコに不協和音?

2006/8/8


 「ズ、ズーン?」と、吾輩は納得のいかない声を張り上げた。あるマイクロソフト・ウォッチャーによると、マイクロソフトがiPodキラーに付けた名前“Zune”は、カナダのスラングで男性性器を指す言葉に似ているらしいね。とすれば、きっと“nano Zune”なんてのを出しても、誰も買わないだろうな。まぁ、それでも、Dell DJ Dittyなんてのよりは、まだセンスのある名前ではあるけど。

 それにしてもデバイスの名前が“Argo”から“Zune”に変更された理由は何だったのだろうと考えていると、音楽好きの知人から電話が入った。彼の話によると、ヒューレット・パッカードはジェシカ・シンプソンの最新PVに自社製品を出すために20万ドル支払ったらしい。HPとシンプソンの関係は、「A Public Affair」というわけか。その後、小1時間ほど“ジェシカ・シンプソン”をググっていたら、偶然、 スパムおよびインターネット・パブリックポリシー研究所(ISIPP)というところのWebサイトを見つけてしまった。そこには、この団体が電子メール送信者の正当性を保証するAOL公認の非営利認定機関となったことが大きく謳われていた。

 そういえば、AOLは昨年、バルク電子メールサービスの変更を計画したが、大きな批判にさらされて方針を変更、最近になって非営利の電子メールはAOLが勘定を持つと発表した。ISIPPの「Surety Mail」認定プログラムは、通信コストに頭を悩ませる非営利団体に恩恵をもたらすだろうね。などと考えながら、吾輩はシンプソンの検索を続けた。

 そのとき、キャットフォンからジャスティン・ティンバーレイクの「Sexy Back」のメロディが流れた。電話をかけてきた友人は、いきなり「シスコ・システムズがCatalyst 6500用に開発したApplication Control Engineの仮想パーティションで、ユーザーがCPUやメモリを仮想化できないのはおかしいじゃないか」と声を荒げた。パーティションを利用して、セキュリティ・ポリシー設定のワークフローを効率化したり、アプリケーションに適切なルーティング情報を提供する仕組みは悪くない。が、「シスコは市場が何を要求しているのか、正確に理解していない」と友人は不満げだ。

 彼はまた、「マイクロソフトとシスコの関係がここ最近、あからさまに悪くなっている」と指摘した。マイクロソフトがノーテル・ネットワークスとVoIPのクロスライセンス契約を結んだことは、シスコとの不協和音を証明するものだという。もちろん、VoIPの基本技術に関する特許のほとんどをノーテルが所有し、同社が特許権で圧力をかけつつある事実も、レドモンドが心理的にゆれている背景にあることは間違いない。

 電話を切ると、すぐにまた、オレゴン州ポートランドで開催された第8回オライリー・オープンソース・コンベンション(OSCON)に出席していたペンギン・マニアからコールが入った。彼の情報によると、会場で脚光を浴びていたのは、オープンソースPBXソフトウェアの「Asterisk」だったそうだ。Asteriskは一般的な電話システム上でVOIPを実現する技術だ。OSCONのスポンサーであるティム・オライリーが、Asteriskを世界で最も破壊的な技術の1つに認定したのだという。

 また友人によると、先ごろ行われたデルの業績発表では、マイケル・デルがアップルの市場占有率は恐れるに足らずとして、MTVの新しい音楽サービス「URGE」と連携していく方針を明らかにしたそうだ。デルにとってアップルは、いつまでたっても憧れのヒットパレードみたいなものなんだろうか。

*Spencer F. Kattのコラムは毎週月曜日(月曜日休日の場合は火曜日)の更新予定です

[英文記事]
A Podful of Tabby Tunes

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