Spencer F. Katt

オラクル、次はBEAシステムズ?

2007/05/28


 ビル・ゲイツがマイクロソフト・ストラテジック・アカウント・サミットで、「今後5年以内に読み物はすべてオンライン化される」と予測したそうだ。その話を友人から聞いて、バリー・ギブ似の吾輩は思わず、“It's only words, and words are all I have to steal your heart away”と歌った。

 そういえば、ビルは2004年にも、スパムは「過去のものになる」と予測したことがある。吾輩のメールボックスには、いまも海外のティーンたちから“会いたい”というメッセージが山ほど届くけどね。

 ドットコムバブルがはじける前、ブリック・アンド・モルタルの小売店は全滅するとみんな予測していたな。いまやWeb 2.0の時代だというのに、ビジネスウイーク誌の記事でさえ販売チャネルを探すマイケル・デルに、ラジオシャックを買収してアウトレットにしたら? なんてアドバイスしているじゃないか。

 「デルの未来はどうなるかわからないけど、同社の歴史は保存されることになった」と友人は応じた。スミソニアン国立アメリカ歴史博物館が最近、デル関連のアイテムをいくつかコレクションに追加したのだそうだ。その中には、1985年のPC's Limited時代のパソコン、マイケル・デルの古い社員バッジなどが含まれているという。

 吾輩が落ち着きを取り戻すと、友人は再びビル・ゲイツの話題に戻った。マイクロソフト・サミットで明らかにしたらしいが、世界一の大富豪は同社の元エグゼクティブが設立したオンライン不動産サイト「Zillow」で、自宅の評価額をしっかりチェックしているとか。ただ、Zillowの評価については批判が多いことを知ってか、ゲイツは、Zillowの評価額で買いたいというバイヤーが現れても「絶対に売らない」そうだ。

 キンキンに冷えた2本のナガランセット・ラガーの栓を抜き、吾輩はにわかマイクロソフト・ウォッチャーの友人に、レドモンドの最新動向を質問した。すると彼は、「そうだな、デンマークじゃ、まだマイクロソフトの標準支配が進んでいないみたいだぜ」と笑った。先週、マイクロソフトのスティーブ・バルマーは、ナビジョン買収5周年を祝うためにデンマークを訪問したが、コペンハーゲンにマイクロソフト開発センターを開設すると約束してきたらしい。

 と、そのとき、キャットフォンからビージーズの「ジャイブ・トーキン」のメロディが流れ、友人との会話は中断した。電話をかけてきた仲間によると、オラクルがBEAシステムズ買収を狙っている、という観測が業界で渦巻いているらしい。数週間前、シスコも同社に触手を伸ばしていると噂されていたけどね。

 電話を切ったあと、マイクロソフト・ウォッチャーの友人と別れ、吾輩はボストンで開催されているバイオ産業見本市を取材中の昔の同僚たちと落ち合うため、会場へ向かった。今年のビッグニュースは、マサチューセッツ州知事のデバル・パトリックが、同州における幹細胞研究に今後10年間で12億5000万ドルの助成を行うと発表したことだ。

 吾輩は懐かしい仲間たちと「シルバートーン・バー・アンド・グリル」のテーブルに腰を下ろし、ワインのボトルをはさんで旧交を温めた。そのうちの1人から聞いた話だが、イーベイが情報共有型リンクコミュニティサイト「StumbleUpon」の買収に動き出しているらしい。提示額は7500万ドルだという。ふむ。似たようなWebサイトが前からあったような気がするけど。Googleだっけ?

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