Spencer F. Katt

マイクロソフトはグーグル追撃をあきらめていない?

2007/06/18


 “We all know that crap is king, give us dirty laundry”と、吾輩がドン・ヘンリー風の甘美なトーンで歌ったわけは、LGがMP3再生機能付き洗濯乾燥機の特許を申請したと聞いたからだ。

 家庭を崩壊させる悪魔の手先がまた1つ増えたか。と、ため息をついたとき、キャットフォンからソニック・ユースの「Washing Machine」のメロディが流れてきた。電話をかけてきたのは募金マニアの友人だった。彼の話によると、シーベルシステムズの創立者トム・シーベルは、自分の死後、母校のイリノイ大学アーバナ・シャンペーン校に1億ドル寄付する遺言状を作成したそうだ。

 母校の連中が自分の病状悪化を願っている状況は、きっと薄気味悪いものに違いないだろうね。友人はまた、ビル・アンド・メリンダ・ゲイツ財団がワシントン大学の公衆衛生研究所の設立に向けて1億100万ドル寄付したことも教えてくれた。驚くべきことに、同研究所の所長にはクリストファー・ムーレイ博士が就任する予定だという。この博士、オラクルのラリー・エリソンが1億1500万ドルを拠出するとしていたプロジェクトが頓挫するまで、ハーバード大学で似たようなプログラムのヘッドになるはずだった人物だ。慈善事業でさえ、両社のライバル意識は消えないらしい。

 吾輩はその後、マイクロソフト・ウォッチャーの旧友と落ち合うため、ボストンの「ラッキーズ・ラウンジ」へ向かった。そしてジャック・ダニエルをロックグラスに、クールなラット・パックのサウンドトラックをバックグラウンドに、われわれの会話は始まった。彼はまず、「マイクロソフトが今年10月に開催を予定していたPDC(プロフェッショナル・デベロッパーズ・カンファレンス)をキャンセルしたよ」と教えてくれた。レドモンドの開発者たちは同業者との議論や意見交換を望んでいるが、会社は新製品の開発スケジュールをこなすため、他のことに時間を割く余裕はないとしているらしい。

 BGMがシナトラ・バージョンの“Where or When”に変わったとき、「そういえば、マイクロソフトがいまも検索市場でグーグル追撃をあきらめていない、という噂が再燃しているね」と旧友は話した。噂によると、マイクロソフトは超高性能検索エンジンの開発を目指すクラックチームをシリコンバレーの地下開発拠点に置いているらしい。もしかしてネールジャケット姿のスティーブ・バルマーが、白い猫をなでながら開発を指揮しているのかな?

 最近なにか新しい動きはないか、と旧友が聞いてきたので、「そうだな、デルがテレビの製造を中止するらしいね。それと任天堂がゲームコンソールのWii向けに、メモリ拡張用の外部ハードドライブを発表するかもしれない」と教えてやった。

 もう1杯オーダーしたあと、旧友はビル・ゲイツが技術関連会議「D: All Things Digital」に登場したことを話題にした。伝えられるところによると、ゲイツは「バットを持ってスイングしたり、テニスラケットを振り回すことができるゲームマシンを想像して欲しい」と聴衆に語りかけたらしい。それを聞いて、いまごろ任天堂のWii開発者たちは大喜びしていそうだな。

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