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iSCSI対応ストレージ 「CLARiX AX100i」実践導入記 導入編

iSCSI対応ストレージ 「CLARiX AX100i」の導入でストレージ統合を目指す

 
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2. ツール類の充実で簡単に導入できる「CLARiX AX100i」
 

 前ページでは、CLARiX AX100iを接続する前準備を行った。ここからは、サーバとCLARiX 100iを接続し、CLARiX 100iのディスクをサーバにマウントするまでの手順を解説する。

5. サーバとCLARiX AX100iを接続する
 サーバに追加したギガビットNICとCLARiX AX100iをスイッチング・ハブで接続する。CLARiX AX100iにサーバを1台しか接続しないのであれば、クロスケーブルで直接つなげてもよい。

 接続が完了したら、再び管理用PCからCLARiX AX100iの設定を行う。管理用PCでWebブラウザを起動し、4.で設定したIPアドレスを入力する。Webブラウザで管理ツールの「Navisphere Express (ナビスフィア・エクスプレス)」が開く。ここで、左側メニューの[管理]−[iSCSI]を選択し、iSCSIポートのネットワーク設定を行う。1.でサーバ側に設定したIPアドレスと同じセグメントでIPアドレスを割り当てる。

 設定が完了したら[テスト]ボタンをクリックし、画面の[手順1]の空欄にはiSCSIで接続するサーバのIPアドレス、[手順2]で「Ping」「Trace Route」のどちらかを選択し、[適用]ボタンをクリックする。これでサーバとネットワーク接続できているかを確認できる。もし、ここで通信に失敗するようならば、iSCSI用ポートのIPアドレス設定などを見直す必要がある。

Navisphere Expressの「iSCSIの管理」画面
Navisphere Expressの「iSCSIの管理」画面(拡大画面
Webブラウザで「Navisphere Express」を開き、左側メニューの[管理]−[iSCSI]を選択する。「iSCSIの管理」画面が開くので、ここでiSCSIポートのネットワーク設定などを行う。

6. iSCSIを設定する
 これでCLARiX AX100iとサーバがIPレベルで接続できたので、次にiSCSIで接続できるようにサーバ側のiSCSIをセットアップする。2.でサーバにインストールしたMicrosoft iSCSI Software Initiatorのショートカット(インストール時にデスクトップに作成される)をクリックし、[iSCSI Initiatorのプロパティ]ダイアログでiSCSI用にインストールしたギガビットNICのIPアドレスを設定する。すると、CLARiX AX100iがiSCSI機器として自動的に認識される。システム起動時に自動的にCLARiX AX100iと接続するように設定すれば、内蔵ハードディスクと同じ使い勝手になる。

 次に、管理用PCでサポートCDからインストールした「Navisphere Server Utility for AX Series」を起動し、CLARiX AX100i側にも接続先のサーバのiSCSIポートを登録する。これでサーバとCLARiX AX100iのiSCSIによる接続が完了する。

Navisphere Server Utility for AX Seriesによる接続先サーバの登録
Navisphere Server Utility for AX Seriesによる接続先サーバの登録(拡大画面
管理用PCでサポートCDからインストールした「Navisphere Server Utility for AX Series」を起動する。「サーバからSPへの接続の表示/更新」を選択すると、設定したiSCSIポートが表示される。

7. CLARiX AX100iのディスク・プール/仮想ディスクを作成し、仮想ディスクをサーバに割り当てる
 再び管理用PCのWebブラウザで「Navisphere Express」を開き、ディスク・プールの設定を行い、その中に仮想ディスクを作成する。設定は、画面に手順が示されるので、指示どおりに作業を行っていけばよい。最後に仮想ディスク名とそのボリューム・サイズ、関連付けるサーバを設定すれば作業は終了する。

CLARiX AX100iのストレージ構成
CLARiX AX100iのストレージ構成
4台のハードディスクを内蔵している場合は、RAID 5に3台、ホットスペア用に1台を割り当てることができる。こうしておけば、障害発生時にも自動的にホットスペア用ディスクが、障害発生ディスクと交換され、自動的にRAIDの再構築が行われる。今回は、ハードディスクを3台しか内蔵していなかったため、図のディスク4(ホットスペア用ディスク)は存在しない。
 
Navisphere Expressの[仮想ディスクの作成]画面
Navisphere Expressの[仮想ディスクの作成]画面(拡大画面
管理用PCのWebブラウザで「Navisphere Express」を開き、ディスク・プールの設定を行い、その中に仮想ディスクを作成、それをサーバに関連付けする。

8. サーバ側でCLARiX AX100iで設定した仮想ディスクをマウントし、フォーマットする
 ここまでの設定が終了したところで、Windowsサーバ側の設定を行う。管理ツールから[コンピュータの管理]−[記憶域]−[ディスクの管理]を選択し、論理ディスク・マネージャを呼び出す。すると、CLARiX AX100iでサーバに割り当てた仮想ディスクが、初期化されていないディスクとしてマウントされていることが確認できる。この状態ではファイル・システムでフォーマットされていないボリュームとなるので、NTFSでフォーマットする。フォーマットが完了すれば、WindowsエクスプローラからもCLARiX AX100iの仮想ディスクがローカル・ドライブとして認識される。これでサーバの内蔵ハードディスクと同様にCLARiX AX100iの仮想ディスクが利用できるようになる。

サーバの[ディスクの管理]画面
サーバの[ディスクの管理]画面
サーバの[ディスクの管理]画面(拡大画面)(拡大画面
CLARiX AX100iの仮想ディスクのマウント前(上)とマウント後(下)。マウントすることで、ローカル・ドライブが追加されているように見える。

 あとはサーバ側のデータを、CLARiX AX100i側に移動すればよい。Windowsからは、新たにドライブが追加されたように見えるので、エクスプローラを使ってそのドライブにデータを移動する。Windows 2000/Server 2003のリパース・ポイント(reparse point)機能を利用すれば、追加されたドライブを、元のドライブのフォルダに割り当てられるので、データが別のドライブに移動したことをユーザーは意識しないで済む。

仮想ディスクをマウントした後のWindowsエクスプローラの画面
仮想ディスクをマウントした後のWindowsエクスプローラの画面(拡大画面
ここでは約100Gbytesの仮想ディスクをサーバにマウントしている。サーバ側では、W:ドライブが追加されていることが分かる。
 
 
データの信頼性は向上し、十分満足できる性能を発揮

 以上のように、ツール類が扱いやすいため、Windowsサーバのシステム管理を行っている程度の知識で設定が行える。作業時間は、作業過程などを記録しながらということもあり5時間ほどかかった。とはいえ、そのほとんどが仮想ディスクの作成を待っている時間で、実際に設定などを行っている時間は1時間ほどであった。

 CLARiX AX100iでは、上位モデルであるCXシリーズで実装されている「CLARiX RAIDアレイ・アーキテクチャ」と呼ぶデータ保護機能を実装しており、この機能によって、高い信頼性が確保される。RAIDによるデータ保護に加え、512bytesのデータごとに8bytesを付加してのチェックサムを書き込むことで、エラー検出やエラー訂正精度を高めているほか、CLARiX独自のデータ保護機能に使用している。またバックグランドでディスクをチェックし、故障する前に異常を検知する仕組みも採用しており、ディスク不良の前兆を早期に把握することによって未然にデータの消失を防ぐことが可能だ。こうしたデータ保護の仕組みは、サーバの内蔵ハードディスクなどに比べて数段高い信頼性を提供してくれる。データ保護という面でも、CLARiX AX100iの導入メリットは大きい。

 管理・保守は、ほとんどが管理ネットワークを介して、Webブラウザで行える。管理ネットワークは、前述のように通常の社内LANに接続できる。システム管理者の普段利用しているクライアントPC上のWebブラウザを利用して、CLARiX AX100iを管理することも可能だ。このような管理・保守性の高さも、CLARiX AX100iの魅力の1つである。

 またCLARIX AX100iは、160Gbytesまたは250Gbytesのハードディスクが3〜12台搭載可能で、480Gbytesから3Tbytesまでの容量をサポートする。今回、導入したCLARiX AX100iでは、250Gbytesのハードディスクを3台搭載している構成なので、さらに9台(2.25Tbytes)の増設が可能だ。これだけ余裕があれば、かなり長期にわたってサーバ用ストレージを維持できるだろう。またハードディスクを増設した際でも、自動的にRAIDの再構成が行われる機能が装備されている。そのため、ハードディスクを増設するたびにバックアップ/リストアする必要もない。システム管理者の負担を大幅に軽減するとともに、TCOを大きく圧縮できるだろう。

 さてiSCSIというと性能が気になるところだ。確かにベンチマーク・テストを実行したところ、数値的には環境によって内蔵ハードディスクよりも若干遅い場合があるが、ファイル・サービスやデータベース・サービスを利用したところ、体感的にはまったく変わらなかった。大量の処理が発生するような大きなデータベースを運用するなどしなければ、CLARiX AX100iでも十分対応できるだろう。

 また、CLARiX AX100iは、シーケンシャルアクセスに対して高い性能を発揮するような構造になっており、最近注目されているディスク・バックアップ(D2Dバックアップ)やアーカイビング用途にも活用できそうだ。

 さらに、今後はハードディスクの増設やスナップショットを利用したディスクのバックアップ、社内のデータベースのCLARiX AX100iへの移行なども試してみる予定だ。第1弾としてのストレージ統合でも大きなメリットが見出せたが、さらに活用の範囲を広げることで、CLARiX AX100iの価値もまだまだ高まりそうだ。ストレージ管理に悩む中小企業のシステム管理者にとって、CLARiX AX100iは大きな助けとなるだろう。

 
iSCSI対応ストレージ 「CLARiX AX100i」実践導入記 導入編
1.導入コストが安いiSCSI対応ストレージ「CLARiX AX100i」
2.ツール類の充実で簡単に導入できる「CLARiX AX100i」

提供:EMCジャパン株式会社
企画:アイティメディア 営業局
制作:デジタルアドバンテージ
掲載内容有効期限:2005年7月31日
 
関連リンク
ストレージ活用をサポートする情報提供サイト 『ストレージ・ソリューション・エキスプレス』

EMCジャパン

EMC CLARiX AX150/AX150iの製品情報
 
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