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@IT[FYI] 企画:アットマーク・アイティ 営業企画局
制作:アットマーク。アイティ 編集局

掲載内容有効期限:2005年5月31日

 
  ESECリポート:
最先端組込みソリューションを一挙紹介

 
〜ユビキタスを実現する最先端テクノロジ〜

2004年7月7日〜9日の3日間、東京ビッグサイトで「組込みシステム開発技術展」(ESEC)が開催された。同展示会に出展した富士通プライムソフトテクノロジ(以下富士通PST)の展示をとおして、最先端の組込みソリューションを紹介する。


   大人気のデモはRFIDソリューション

写真 LPSのタグおよびタグリーダ。画面には、部屋とエアコンの状態がグラフィックで表現されている(写真をクリックすると拡大します)

 2004年4月に「Active RFIDで実現する次世代システムの可能性」という記事を公開した当時は実験段階だった同社のActive RFID(Radio Frequency IDentification)だが、7月5日に「Local Positioning System(LPS)」として正式に販売が開始された。

 ESECでは、このLPSを使ったデモが人気を博していた。4月時点ではいかにも試作品といった風情を漂わせていたタグリーダも、右の写真のようにデザインを一新し、製品らしくなっていた。

 LPSのコーナーには、2つの(仮想的な)部屋にそれぞれ設置しているという設定のタグリーダが、少し距離をおいて展示されていた。各タグリーダを、ここでは便宜的に「リーダ1」「リーダ2」と呼ぶことにしよう。また、人間が所持するためのタグがやはり2つ。1つは強い冷房を好む人用の「タグA」。もう1つは弱い冷房を好む人用の「タグB」だ。

 タグAをリーダ1に近づけると、リーダ1の画面に表示されたエアコンの画像が強い風を吹き出している状態に変わる。一方、リーダ2にタグBを近づけると、タグBの画面のエアコンは弱い風を出している画像になる。タグAとBを入れ替えると、各リーダのエアコンの画像もそれに合わせて変化する。リーダからすべてのタグを離せば、エアコンの画像は風が出ていない状態になり、部屋が暗くなる。つまり、人間の移動に応じて、部屋の環境をその人の好みに合わせてくれるというわけだ。


写真 LPSの展示コーナーに押し寄せる来場者

 ちなみに、タグAとBを両方リーダ1に近づけるとどうなるだろう? 実は、タグの優先度を定義することができる。仮にタグAの優先度が高ければ、リーダ1はエアコンを「強」に設定するのである。

 LPS、ひいてはRFIDの効果がシンプルかつダイレクトに伝わってくる、分かりやすいデモであった。もちろん、実際のソリューションはより複雑で実用的なものになるだろう。そうしたアプリケーションを開発するためのSDKも用意されている。これを使って任意に開発することもできるが、富士通PSTでは開発や構築をサポートするサービスも提供している。


   富士通ブースに集まるintent目当ての来場者

 富士通PSTが得意とするもう1つの組込み環境「intent」もまた、来場者が触れることができる状態で展示されていた。PDAとPCの2種類のハードウェアが用意されており、それぞれでintentが動作していた。

 intentコーナーには、もともとintentに興味があり、これを目当てに富士通ブースに来たという人が多いという。写真のように、説明員に熱心に質問する来場者の姿が目立っていた。

 intentについては、「組込み開発の常識を変えるintentの衝撃」も参照していただきたい。

写真 富士通ブースのintentコーナー。intentが動作しているPDAとPCが展示されており、来場者が触ることもできた

   高速起動で組込みLinuxの実用性をアピール

写真 同じハードウェアでOSの起動時間の差をデモンストレーション(写真をクリックすると拡大します)

 「組込みLinuxを真のリアルタイムOSに」で、組込みLinuxにはハードリアルタイム性の欠如など、実用化に際していくつかの弱点があること、それがCE Linuxフォーラム(CELF)によって解決済みあるいは解決しつつあることを紹介した。

 富士通や富士通PSTによるCELFへの貢献はいろいろあるが、ESECでは組込みLinuxの高速起動をテーマにした展示を行っていた。会場には同一のハードウェア構成のボードが2つ用意され、一方には通常のLinux、もう一方には富士通PSTが手を入れて起動時間を短縮したLinuxがインストールされていた。これを同時にリセットして、各起動時間を表示するのがデモの内容だ。その結果はというと、通常起動が約3.8秒、高速起動では約0.7秒で起動した。

 家電機器の場合、電源投入から3秒間何も起こらなければ、ユーザーは故障したと思ってしまう。つまり、起動に3秒以上かかるようでは使い物にならないのである。高速起動のデモを見た来場者には、「1秒以下なら十分使える」と好評だったそうだ。もちろん、ハードリアルタイム性についての質問も多く、富士通PSTの取り組みの方向性が正しかったことを証明していた。


   PDA用ミドルウェアはセキュリティ完備

写真 PocketPCで動作しているpTrancefoundationクライアント。パスワード認証に失敗するとロックするデモを行っていた

 この「pTrancefoundation」もまた、富士通PSTが持っているユビキタス関連製品の1つである。

 同製品は、オフライン環境下での使用を前提に、PDAなどのモバイル機器にコンテンツやデータを配信するミドルウェアである。単に配信するだけではなく、オフライン環境で入力されたデータをオンライン時にサーバと同期し、再配信することで各モバイル機器の内容を最新に保つ。会場では、複数のPDAにアンケートフォームを配信し、それぞれオフライン状態でアンケートに答える。オンライン状態にしてサーバと同期を取ると、サーバがデータを集計して各PDAに集計結果を配信するというデモを披露していた。

 同製品の重要なポイントはこれだけではない。PDAなどの端末に認証を設定し、既定回以上認証に失敗すると、端末をロックすることが可能なのだ。ロックされた端末は一切の操作が不可能になり、端末を再び利用可能にするにはハードリセットが必要だ。そうなれば、当然データは消去される。最悪でも情報漏えいだけは防げるというわけだ。


   さらなる盛り上がりが期待できる組込み分野

 ESEC自体の来場者数がそもそも多かったという面もあるが、富士通ブースは特に混雑しており、しばしば取材を中断しなければならなかったほどである。規模の大きな展示会にはコンシューマレベルの来場者が付き物だが、さすがにESECにはそのような来場者はいない。みな、切実な興味と必要性を持ってやって来た人たちばかりであった。

 そうした来場者の注目を集めた富士通PST。同社の技術力を再認識するとともに、「組込み分野」全体の盛り上がりを感じた。この分野が、これからますます市場を拡大していくことは間違いないだろう。

  Passive RFID復権、そのとき富士通PSTは?

株式会社富士通プライムソフトテクノロジ 営業統括部 販売推進部長 青山満男氏
 「Active RFIDで実現する次世代システムの可能性」で紹介したように、富士通PSTはActive RFIDを推進してきたし、LPSもActive RFIDを採用してる。しかし、情勢は変わりつつあると同社営業統括部 販売推進部長 青山満男氏はいう。

実は、UHF帯域の規制が緩和されて、Passive RFIDの欠点である通信距離の短さが解消します。

しかし、富士通PSTはActiveしかできないわけではありません。Passiveを使うメリットがあればPassiveをやります。用途によってActiveが向いているなら、Activeもやります。


 以前からActive/Passive両方の研究・開発を行ってきた同社にとって、この程度の外的要因は大した問題ではないということだ。両方に対応できる技術力が同社の強みであり、余裕の源なのである。

ユビキタスを実現する最先端テクノロジ
  第1回 Active RFIDで実現する次世代システムの可能性
  第2回 組込み開発の常識を変えるintentの衝撃
  第3回 組込みLinuxを真のリアルタイムOSに
  第4回 ESECリポート:最先端組み込みソリューションを一挙紹介

 
関連リンク集
「組込みLinux向けサポートサービス」の販売開始(プレスリリース)

アクティブ型RFID(無線ICタグ)を利用した位置検知システム「Local Positioning System(LPS)」の販売開始(プレスリリース)

第7回 組込みシステム開発技術展 ESEC(イーセック)出展報告

視覚障害者の方たちへのバリアフリー情報配信実験

国産マネジメント型Linux OS 「Nature's Linux」を活用したビジネスアライアンス「Nature's Linux Alliance」設立のお知らせ(プレスリリース)

宅配便の最短配達サポートシステム「SAITANDePo」

一押しプロダクト
医療機関のリスクマネージメント運用支援システム 「SafeProducer」

セキュアなモバイルシステムを構築 [pTransfoundation」

ソフト・ハードの資産管理 「パソコン管理人」

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大切なデータを誤って削除してしまった 「かんたんファイル復旧」


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