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“サーバ仮想化”をリードするHPの使える新技術
「HP Integrity VM」

  「サーバ仮想化」は基幹業務で使えるか?

 サーバ・コンソリデーションの隆盛とともに、オープンソース・ソフトウェアのXen、ヴイエムウェアのVMware、そしてマイクロソフトのVirtual PCといった「サーバ仮想化」のテクノロジが注目を集めている。とはいえ、多くのITエンジニアは、サーバ仮想化に対して「まだ枯れていない最新技術」という印象を持っているのが実情だろう。事実、これらのソリューションを基幹業務のプロダクション環境で導入しているという事例はまだまだ少ない。

 しかし、ミッションクリティカル分野に目を向けると、基幹業務へのサーバ仮想化の導入は意外に古くから行われている。例えばハイエンド/ミッドレンジ・クラスのUNIXサーバ市場のトップベンダであるHPでは、1997年に最初の仮想化製品をリリースして以来、すでに8年にわたりミッションクリティカル分野向けのサーバ仮想化を提供している。同社の仮想化技術は国内大手企業の基幹システムに導入されており、まさしく“サーバ仮想化の先駆者”といえるだろう。

  HPの仮想化技術ポートフォリオ

 先駆者としてのHPがUNIXサーバ仮想化分野では“オンリーワン”である理由、それは「ミッションクリティカル環境で豊富な実績を持つ」こと、そして「多種多様な仮想化技術を取りそろえている」という2点だ。図1は、同社の仮想化技術ポートフォリオ「VSE(Virtual Server Environment)」を概観した図である。

図1 HP VSEが提供する仮想化技術ポートフォリオ

 HP VSEの各技術は、大まかに以下の3種類の技術に分類できる。

  • ハードパーティション(nPars)
  • 仮想パーティション(vPars、Integrity VM)
  • リソース・パーティション(PRM、SRP)
  • パーティション間のリソース配分の自動化 (WLM、GWLM)

 まず、ハードパーティションとしてはnPartitions(nPars)を提供する。nParsは、サーバのハードウェア・リソース(CPU、メモリ、I/Oなど)を電気的にパーティション分割する技術であり、それぞれのパーティションが完全に独立したサーバとして動作可能となる。これにより、OSレベルでの障害のみならず、ハードウェア障害の影響を個々のパーティションに封じ込めることができる。ただし、リソース配分の変更にはサーバのリブートが必要になる。

 もう1つの仮想化技術である仮想パーティションとしては、Virtual Partitions(vPars)、そして今回新たにHPがリリースしたIntegrity VMが該当する。いずれもサーバ・リソースをソフトウェアレベルで分割する技術であり、それぞれのパーティションや仮想マシンで独立したOSが動作する。OSレベルでの障害の影響を遮断できるほか、サーバをリブートせずにリソース配分をリアルタイムに変更できるのが特徴だ。

 3つめの仮想化技術であるリソース・パーティションとしては、PRM(Process Resource Manager)およびSRP(Secure Resource Partition)が提供されている。これらは、1つのOSのリソースを分割し、個々のアプリケーションに配分するテクノロジだ。PRMではCPUやメモリ、I/Oなど一定のリソースを各アプリケーションに%単位で正確に配分でき、ほかのアプリケーションの過負荷による影響を防ぐことができる。さらにPRMをベースとしたSRPでは、それぞれのアプリケーションをセキュリティ的に完全に隔離することが可能になる。

 これらパーティション技術と連携し、自動的にリソースの配分をするのがHP-UX Workload Manager(WLM)およびHP Global Workload Manager(gWLM)である。サーバリソースの利用率向上やサービスレベルの維持を支援する業界ではユニークな技術である。

  サーバ仮想化へと大きく舵を切ったIT

 HP VSEでは、これら3種類の仮想化技術を自由に入れ子することができる。例えば、nParの内部をvParやIntegrity VMで分割したり、さらにvPar内部をSRPで分割したり、といった具合だ。こうした多彩な選択肢の中から、ビジネス継続性やサーバ・コンソリデーションといったニーズに応じて最適な仮想化技術を組み合わせできる。このようなラインアップの幅広さ、そしてミッションクリティカル分野での導入実績の豊富さで、HPのサーバ仮想化はベンダ各社の追随を許していない。

 こうしたアドバンテージが追い風となり、2005年第3四半期の国内UNIXサーバ市場では、HPが44.5%のシェアを獲得、第2四半期の36%から大きくシェアを伸ばしている(IDC ジャパン調べ)。これによりHPは、他社を抑え、11四半期連続でNo.1の座を獲得している。いまエンタープライズ・コンピューティングは、市場全体がサーバ仮想化へと大きく舵を切っているといえるだろう。

グラフ1 国内UNIXサーバ市場シェア(IDC ジャパン調べ)
出典:IDC Japan, Japan Server Quarterly Model Analysis, Q3 2005

  基幹システムのあり方を変える「HP Integrity VM」

 2005年12月、HPは最新の仮想化技術「HP Integrity Virtual Machines(以下、Integrity VM)」の出荷を開始した。個々のIntegrity VMはホストOS上では1つのプロセスとして動作し、その内部でゲストOSが動作するという構成を取る。ホスト環境としてはHP Integrityサーバをサポート。ゲストOSとしてはHPのUNIX環境であるHP-UX 11i v2が動作するほか、2006年後半にはWindowsおよびLinuxをサポートする予定だ。このマルチOS対応の意義はとりわけ大きく、WindowsやLinuxとHP-UXの共存が、エントリモデルでも手軽に実現できるようになる。

図2 HP Integrity VMのメカニズム

 また、1個のCPUにつき最大で20の仮想マシンを設定できること、さらにはI/O(ネットワークやディスク)が共有可能なことも注目すべきポイントだ。Integrity VMでは仮想マシン作成の粒度が大幅に細かくなり、4CPU構成では最大80もの仮想マシン設定可能になる。さらにIntegrity VMでは、1本のネットワークや1台のディスクを複数の仮想マシン間で共有することができる。よってIntegrity VMでは、ハイエンド/ミッドレンジサーバに限らずエントリモデルにおけるサーバ仮想化も容易に実現できる。

  Integrity VMはこう使う

 では、このIntegrity VMの登場により、ITシステム構築のあり方はどう変化するのだろうか。Integrity VMの恩恵を真っ先に享受できるのは、開発やテスト環境のコンソリデーションだ。

 プロダクション環境とは異なり、開発環境やテスト環境は常時必要であるわけではなく、カットオーバー以降はほとんど利用されなくなる。とはいえ、運用中のトラブル対応や機能拡張を考えると、開発やテストのためのサーバをおいそれとほかの用途に転用することはできない。その結果、サーバ・リソースがムダに放置される状況が生まれることになる。

 Integrity VMを導入することで、こうした開発・テスト環境のコンソリデーションが可能になる。前述のとおり、Integrity VMでは1つのVMが1つのファイル(もしくは論理ボリューム、ディスクなど)に収まっており、VMを起動しなければサーバ・リソースを消費することもない。よって、開発やテスト作業のピーク時には適切なCPUリソース割り当てを行い豊富なリソースを配分し、カットオーバー後にはVMを閉じておくといった使い方が可能になる。またファイルコピー感覚でVMの複製や移設が可能であるため、ミドルウェアやアプリケーションがインストール済みのVMをコピーし、検証用環境を瞬時に用意することもできる。

図3 Integrity VMによる開発・テスト環境のコンソリデーション

 ちなみに、Integrity VMでは将来的なマイグレーション・シナリオとして、「VMから物理サーバへの移行」および「物理サーバからVMへの移行」をサポートする予定だ。これにより、例えばVM上に構築されたステージング(本番検証)環境をプロダクション環境の物理サーバに移行したり、または物理サーバ上の既存の開発環境をVMに移行してコンソリデーションしたり――といった利用も可能になる。このようにIntegrity VMは、システム管理者にとってはきわめて重宝するツールとなるはずだ。

  仮想化環境を統合管理するGUIツール

 また2006年3月には、こうした仮想化環境を管理するGUIツール「HP Integrity Essentials Virtualization Manager」および「HP Integrity Essentials Capacity Advisor」が登場する予定だ。Virtualization Managerは、HP VSEによってさまざまに分割されたサーバ・リソースを一元的に表示、可視化し、構成変更をGUIベースで実施できるのが特徴だ。例えば、仮想ディスクと物理ディスクの対応付けや、仮想NICと物理NICの対応付け、VMの作成や削除、起動と停止、そしてホストおよび各VMのCPU使用率の表示など、ひととおりの管理作業をGUI画面上で実施できる。

 またCapacity Advisorでは、サーバ仮想化を実際に実施する前に、その効果をGUI上でシミュレートすることができる。よって、プロダクション環境の運用に影響を及ぼすことなく、サーバ仮想化の導入がどのようなメリットをもたらすのかを事前に正確に見積もることができる。この機能は、とりわけミッションクリティカル環境でのサーバ・コンソリデーションを検討するシステム管理者にとっては重宝するものだろう。

 以上、ここではHPが展開するサーバ仮想化技術の全容と最新製品Integrity VMの概要を紹介した。ここで見てきたとおり、Integrity VMの特徴は、フル・バーチャルマシンという特性を生かした高いポータビリティや柔軟性、粒度の細かさである。その一方で、HPの実績豊富な仮想化技術をベースに実装されているため、ビジネス継続性の要求される用途にもすぐに導入可能な“安定したソリューション”でもある。「サーバ・コンソリデーションは進めたいが冒険はしなくない」と考えるシステム管理者にとって、Integrity VMは最適な選択肢の1つといえるだろう。

提供:日本ヒューレット・パッカード株式会社
企画:アイティメディア 営業局
制作:@IT編集部
掲載内容有効期限:2006年3月13日
 
本記事は、日本ヒューレッド・パッカードのHP-UX Developer Edgeに掲載された記事を許諾を得て、再構成したものです。詳しくは、HP-UX Developer Edgeの以下の記事をご参照ください。(要登録、登録無料)

『サーバ仮想化の“先駆者”HPが世に問う新技術「HP Integrity VM」・前編』
『サーバ仮想化の“先駆者”HPが世に問う新技術「HP Integrity VM」・後編』

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