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■ IPA未踏プロジェクト 2006年2月まとめアンケート■
プロジェクト終了を迎えた開発者に聞く

IPA「未踏ソフトウェア創造事業」の2005年度上期の開発プロジェクトが2月末で終了する。予定していた開発を見通しどおりに進めることができたプロジェクトや、思い通りに進めることができなかったプロジェクトなど結果はさまざま。プロジェクト・マネージャの酒井裕司氏に総評を聞き、開発者にまとめのアンケートを行った

総評:2005年度上期の採択を振り返り
プロジェクト・マネージャ 酒井裕司氏

■ 3Dファクスの開発

 データ処理の困難性にもかかわらず、一応データ取得とモデルの生成という観点からは評価できる水準に達したようです。ただし、ベータ配布による第三者による検証という段階は未熟であり、当ソフトウェアの目的である、「比較的容易に入手できるデバイスを用いて、誰でも簡単に三次元モデルをキャプチャーできる」という目的に対しては実証されているとは言えません。

 プロジェクト自身は最後の追い込みに入っており、モデルの取り込みを容易にする回転台を含めた実証デモを二月に予定されている発表会で検証する予定ですが、その後の展開に関しては、機器ベンダーとのジョイントによる商用提供に対する改良作業に入っていけるのではないでしょうか。

■ マルチメディアコンテンツの配信とそのコミュニティ支援システムの開発

 プログラムとしては、基本コンセプトは変更しないまま、ユーザーインターフェイスに大きな改善が入りました。一方、公衆向けのビデオブログ的サービス機能に加え、プレゼンテーション資料、図面等含めた、各種データに対するアノテーションを共有するシステムとしての作り込みも行われ、今後の方向性としてエンタープライズ向けマルチメディアコンテンツ共有ソフトとしての側面も強化されました。これにより、当サイトでの露出も手伝って、様々なビジネスキーパーソンに興味を持っていただけるまでに成長しました。

 こうしたことから、当プロジェクトは、当初の目的はほぼ達成したと言えるでしょう。次のステップとしては、公衆向けサービスとしての安定性、スケーラビリティーや認証、ディレクトリーとの統合を実用の場でもんでいくという事になると思い行く末が楽しみです。


――開発は予定通り終了しそうですか。

 開発は当初の計画通り終了の予定です。ただし、当初は基本機能の開発を終えた時点で、ベータ版によるフィールドテスト等を行う予定でしたが、基本機能を実装しただけでは一般のユーザーがすぐに使いこなせる訳ではないことが分かり、当初予定になかった作りこみの作業に終盤、相当時間を取られました。

酒井プロジェクトは2月24日、上期プロジェクト、下期プロジェクト合同の報告会を開催した

――今回開発したソフトウェアの開発は続けますか?

 今回開発したソフトウェアは、基本機能の開発が終わった段階ですので、まだ研究・開発の余地がかなり残されています。とりあえず目先の目標としては、現時点で使える機能だけに限定して、誰もが簡単に扱えるレベルまで完成度を高めて仕上げる予定です。

 ただし、実現までにはもう少し時間がかかりそうですので、まずは提案システムの成果を閲覧出来るビュアーを先に公開しようと考えています。テスト版を以下に公開しています。
http://www.mm.ics.saitama-u.ac.jp/~kawasaki/3dfax/index.html

――IPA未踏プロジェクトに対してコメント、また今後、未踏プロジェクトに応募する開発者へのメッセージをお願いします。

 最初の計画立案から実装まで、すべて自分自身で自由に計画を立てて進められる点や、開発成果が個人に帰属するなど、他のプロジェクトにはない魅力を感じました。事務的なサポートやプロジェクトマネージャによるアドバイスなども充実しており、これまでにない大変よい経験をさせて頂きました。

――開発は予定通り終了しそうですか。

 うまく行った点としては、最初から実用化を目指したため、シンプルでかつユーザーの利便性の高いインタフェイスが実現できた点にあります。多くの人から、インタフェイス周りには大変高い評価を頂いております。反省点としては、機能追加に追われて、開発中盤で予定していたアルファテストやベーステストの開始が当初の予定よりも遅れてしまった点にあります。

――今回開発したソフトウェアの開発は続けますか?

 現在いくつかの企業と実用化に向けた話し合いを進めています。なるべく多くのユーザに利用していただくために、開発したソフトウェアの無料配布や、商業的なサービスも含めて検討中です。詳しくはhttp://synvie.net/を参照してください。

――IPA未踏プロジェクトに対してコメント、また今後、未踏プロジェクトに応募する開発者へのメッセージをお願いします。

 IPA未踏プロジェクトの最大の強みはその開発者コミュニティにあると思います。その開発者コミュニティから得られる利益を最大化するためには、何年にもわたって継続していくことが重要だと思います。そういった意味で、ぜひ今後も未踏プロジェクトの継続と、コミュニティを盛り上げる枠組みを作っていってほしいです。

 何かを開発するのが好きな人、考え方が人と違う人は、ぜひ、未踏プロジェクトに応募してみてください。きちんとした熱意や創意工夫が伝われば、誰でも参加できると思います。特に個人的には、社会人よりも、比較的時間の自由度の高い大学生や高校生にじっくり取り組んでもらいたい事業だと思いました。

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提供:IPA 2005年度未踏ソフトウェア創造事業
担当PM 酒井 裕司
企画:アイティメディア 営業局
制作:@IT 編集部
掲載内容有効期限:2006年3月31日
 
各プロジェクトの技術詳細
3Dファクスの開発
マルチメディアコンテンツの配信とそのコミュニティ支援システムの開発
情報銀行:セキュアでリーガルなPtoP型オンラインストレージの開発
デバイスの枠を超え情報の所有を実現するTimelineサービスの実現
なめらかなメッセージングを実現するSNS型RSSリーダーの開発

未踏プロジェクト関連リンク
未踏ソフトウェア創造事業

情報処理推進機構(IPA)


2005年度上期 未踏ソフトウェア創造事業

2005年度上期未踏ソフトウェア創造事業 公募の結果

2005年度下期 未踏ソフトウェア創造事業 公募の概要


2005年度下期未踏ソフトウェア創造事業 公募の結果

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