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  リッチクライアント技術はこう選ぶ

日立製作所


数あるリッチクライアント・テクノロジには、それぞれに特長があり、その特長に合わせて選択することが望ましい。【A-3】セッションでは、日立製作所 ソフトウェア事業部 販売推進本部 Eビジネス統括 山田健雄氏がリッチクライアント製品の使い分けについて語った。

要件にあったリッチクライアント適用がポイント

 山田氏は冒頭、「各種システムを1つのリッチクライアント製品でカバーできるかというと、決してそうではない」と述べた。これはもちろん、1つのリッチクライアントが1つの業務にしか対応できないということではない。ただ、利用者にとっての業務生産性、システム構築開発面での開発生産性を考え、「この業務には、このリッチクライアントを利用する」といった使い分けをしていった方がよいということだ。

日立製作所 ソフトウェア事業部 販売推進本部 Eビジネス統括
山田健雄氏

 例えばオンラインで業務処理を行う際には、データエントリー操作のしやすさが最も求められる点となってくる。それに対して、各種申請業務を行うためには、紙に記載する感覚と同じようなインタフェースであることが望ましい。

 「ところが、リッチクライアント製品は開発ツールという性格から、一度選んだものについては、別の要件のシステムでも同じ製品を使い続けるという傾向がある。しかし、それではユーザーにとって本当に使い勝手の良いリッチクライアントソリューションの実現は難しいのではないか」と山田氏はいう。リッチクライアントに求められるユーザーの業務生産性を高めることを第一に、要件にあった“適所適材”な各種リッチクライアント製品を使うことが大切である。

 そこでスタートの段階で必要とされる要件にあったリッチクライアント製品を選択することが重要なポイントとなる。そこで山田氏は日立における提案例を紹介してくれた。

 同社では、各種製品の豊富な事例をベースに、顧客の業務に適したリッチクライアント製品を提案しているという。

入力系業務への適用事例「Biz/Browser」

 これまで専用端末で処理してきた業務をWeb化する際に適しているのがアクシスソフト株式会社の「Biz/Browser」だ。画面レスポンスが快適で、専用端末を使っていた業務の置き換えに使える。「構造的にも通信量を極力少なくする仕様となっており、また操作性をよくするためにはどうすればいいのかが、大変よく考えられた製品となっている」と評価した。業務システム用のリッチクライアントとしてBiz/Browserを選択した要因をまとめると、「エンドユーザーの使いやすさ」と「開発者の開発のしやすさ」の両方を兼ね備えている点だという。

 「既存のWebブラウザでもHTMLによって、ページの閲覧、さらに簡単な業務処理に利用することはできるが、入力が多く、絞り込み検索が必要な業務処理には構造的に適さない部分が多い。それに対してBiz/Browserは入力の多い業務、絞り込み検索にも適している」とした。

オンライン業務への適用事例「XMAP3」

 オンライン業務のWeb化ソリューションに利用するリッチクライアントとしては、日立が開発した「XMAP3」を活用しているという。

 オンライン業務をWeb化する際には、「性能の確保」「生産性の向上の実現」「クライアント台数の増加への対処」「ホスト端末型業務の維持」などが課題となる。こうした課題に対して、ある製造業のユーザーがXMAP3を選定した際には、サーバとクライアントの間で差分データだけの送信にすることでデータの少量化を実現。生産性を向上するためには、開発が容易にできる専用エディタの提供、仕様の早期確定を支援する画面遷移シミュレータの提供、プログラミングの整合性をとれるように定義した画面・帳票・保守情報をリスト出力、既存資産を流用するユーティリティの提供などを行った。

 クライアントの台数増加に対しては、クライアントが増えてもブラウザだけあれば必要なリソースをすべて自動的にダウンロードする仕組みで管理費削減を実現した。アクセス量が増えたり、急激なサーバ負荷が発生したとしても負荷分散、優先制御をフロント・バックの両方で実現している。こうした点が評価されて、この製造業のユーザーはXMAP3を活用いただいている。

帳票・稟議書類系への適用事例「EUR Form」

 これまで紙ベースの帳票で行われていた業務をWeb化する際には、同じく日立の「EUR Form」を提供している。申請業務をWeb化する際のポイントは、データエントリーに利用するリッチクライアントに求められる要件とは大きく異なり、入力フォームやワークフローエンジンといった部分が重要となる。

 入力フォームは帳票入力の際に活用できる各種部品を豊富に揃えている。また日頃使っているWORD/EXCELのデータを使った帳票定義も可能なため生産性、従来帳票との親和性も高い点が評価されている。「EUR Form」はワークフローと組み合わせたソリューションとして自治体の電子申請システムや製造業の社内稟議システムとして適用されるなど広い範囲でされている。

コンシューマ向けソリューションへの適用「FLEX」

 コンシューマ向けWeb対応ソリューションとしては、マクロメディアの「Flex」を採用している。コンシューマでの利用の場合、直感的でユーザーフレンドリーなマシンインタフェースと、パソコン、情報端末、携帯電話などマルチデバイスに対応する必要があり、Flexは普及率の高いFlash Playerと連携することができるため、「BtoCソリューションには適したリッチクライアント」(山田氏)だという。


 山田氏はまとめとして、「用途にあわせて、どのリッチクライアントを選択すべきかとなると、機能の詳細に目がいきがちだが、適用システムに応じた要件を整理し、システム利用者のサービスレベル、開発者の生産性、蓄積しているコンポーネントを利用することができるのか、システムの拡張性はどうなのかといった点まで考慮して選択をしていくべきではないか」と訴えた。

モバイル端末として利用可能なPDA

日立製作所 ユビキタスプラットフォームグループ
ソリューション統括本部
荒井達郎担当部長

 続いて、日立製作所 ユビキタスプラットフォームグループ ソリューション統括本部 荒井達郎担当部長が登場し、PDAにおけるリッチクライアントの有用性について述べた。

 荒井氏は「私の部署では、端末としてPDAの活用を推進している。モバイル端末としては、PDAのほかにも、ノートパソコン、携帯電話がある。最近、注目されることが多いのが携帯電話をモバイル情報端末として利用することだが、なかなか苦労しているところが多いようだ。社内でもiアプリで受発注業務をやりたいという企業にシステムを導入したものの、導入からしばらくして『入力がしにくくて、作業が進まない。携帯電話で利用できるキーボードはないか』という相談を受けた」とエピソードを紹介。「モバイル業務は、座って入力するのはレアケースであり、立ったまま快適に入力できること、思考を妨げない応答性能があること、業務効率向上に見合った通信料金であること、さらに最近ではトッププライオリティとなっているセキュリティ対策が求められる」と語る。

 こうした要件に対して、「リッチクライアントを選択することで、利用端末、環境などにあった操作設計が可能となり、レスポンスについても通信回線、端末性能を最大限に活かす性能設計を実現する。セキュリティについても、データに暗号をかけているといっても時間をかけていけば解けてしまうということを認識すべき」と主張する。

 荒井氏の考えでは、こうした問題に対処するモバイル端末として、PDAが最適だいう。実際にPDAで提供するリッチクライアントとしてもアクシスソフトのBiz/Browser for PDAを使い、これを利用したフロンティア・ドメインのWeb型リアルタイム庫内物流管理システムパッケージ「W2MS」などを活用して、モバイルソリューションを提供している。

 荒井氏は最後に、「PDAは企業向けに特化したソリューションの端末としては、パソコンよりも高セキュリティを実現できるうえ、カスタマイズと携帯性の両立ができる。ぜひ、検討の1つとして欲しい」と語った。


提供:株式会社日立製作所
企画:アイティメディア 営業局
制作:@IT編集局
掲載内容有効期限:2005年3月10日
 
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ソリューションセッション 適用事例にみる各種リッチクライアントの可能性
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ソフトウェア事業部販売推進本部Eビジネス統括
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ソリューションビジネス本部担当部長
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