ABC(えいびーしー) / ABM(えいびーえむ)情報システム用語事典

activity based costing / activity based management / 活動基準原価計算 / 活動基準管理

» 2003年02月28日 00時00分 公開
[@IT情報マネジメント編集部,@IT]

 活動基準原価計算(activity based costing)とは、膨張し続ける間接費を管理し、各活動単位に正しく反映させる原価計算法である。この原価計算においては、まず資源の原価が活動に割り当てられ、次にその原価が活動を基にして原価計算対象(製品など)に割り当てられていく。

 活動基準管理(activity based management)とは、活動基準原価計算によって、活動ごとに把握された原価情報などを活用し、コストの視点から活動の管理に重点を置く技法である。活動の分析を通じてプロセスのムダ(非付加価値活動)が明らかにされるので、リエンジニアリングを実施する際に役立つ方法とされている。

 ABC以前の標準原価計算などの伝統的な原価計算では、原材料費や人件費などの直接費の管理に重点が置かれていた。しかし、事業規模の拡大により間接的業務コストの激増という大問題を抱えている企業にとっては、直接費の把握に重点を置く伝統的な原価計算では莫大な間接費の管理に対応することができなかった。そこで、膨らみ続ける間接費を多面的に管理し、その無駄を見つけるための原価管理法としてABC/ABMが考えられたのである。ABC/ABMでは、営業活動や採用活動などの生産性を計測することが可能となり、またもうかる顧客層、商品層、サービス層はいったいどれなのかといった分析もできるようになる。

参考文献

▼『コスト戦略と業績管理の統合システム』 ロバート・S・キャプラン、ロビン・クーパー=著/櫻井通晴=訳/ダイヤモンド社/1998年10月(『Cost & Effect: Using Integrated Cost Systems to Drive Profitability and Performance』の邦訳)

▼『ABCマネジメント革命――米国企業を再生させたコスト管理手法』 ロビン・クーパー、ロバート・S・カプラン、ローレンス・S・マイセル、アイリーン・モリッシー、ロナルド・M・オーム=著/KPMGピート・マーウィック、KPMGセンチュリー監査法人=訳/日本経済新聞社/1995年4月(『Implementing Activity-Based Cost Management: Moving from Analysis to Action : Implementation Experiences at Eight Companies』の邦訳)


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