キャパシティ管理(きゃぱしてぃかんり)情報システム用語事典

capacity management / 容量管理 / 能力管理

» 2009年12月22日 00時00分 公開

 ITシステムを運用するに当たって、そのリソース需要に合わせてシステムリソースを適時に最適なコストで必要な量を確保・供給する一連の活動をいう。

 キャパシティ管理は、ITシステムやITサービスに求められるリソース需要を予測・監視・評価して、それを満たすシステムリソースを提供できるように計画・調達・配備する活動である。一般にシステム需要には変動があり、それに適切に対応することがキャパシティ管理の役割である。

 一般にITの世界でキャパシティといった場合、CPUリソースやディスク容量、回線容量などを指すが、ITILのキャパシティ管理ではこれをリソースキャパシティと呼び、その管理を「リソースキャパシティ管理」(RCM)と位置付ける。ITILではこのリソースキャパシティ管理に加えて、将来の業務要件を検討してタイムリーかつコストリーなITサービスの計画・配備を図る「ビジネスキャパシティ管理」(BCM)、ITサービス需要のピークやボトムを評価して、SLAで定義されたサービスレベル目標を達成することを図る「リソースキャパシティ管理」(RCM)がある。

 通例、ITシステムを新規に構築する際にはキャパシティプランニングが行われるが、従来型のシステム構築では事後のキャパシティ変更は簡単に行えないため、キャパシティの過不足を常時監視して最適化するという作業が行われることは少なかった。しかし、仮想化技術はキャパシティの不足だけではなく、余剰に対しても最適化を簡単かつ迅速に行うことを可能にするため、PCサーバ分野での仮想化技術の普及が進むにつれ、システムリソースの最適利用を目指すキャパシティ管理が広く行われるようになると見込まれている。

参考文献

  • 『ITIL V3ファンデーション――ITIL資格認定試験対策書籍』 日立システムアンドサービス、笹森俊裕、満川一彦=著/翔泳社/2009年7月

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