協調フィルタリング(きょうちょうふぃるたりんぐ)情報システム用語事典

collaborative filtering

» 2006年12月22日 00時00分 公開
[@IT情報マネジメント編集部,@IT]

 情報フィルタリングの1つで、システムがユーザーの求める情報を推薦・提供するに当たり、そのユーザーと興味や関心が類似する別のユーザーが以前に利用・評価した情報を提示する方法のこと。協調型情報フィルタリング(collaborative information filtering)ともいう。

 「興味・関心・嗜好(しこう)が類似した人間は、同じ情報(商品)を求めている」という仮説に基づいた手法で、複数のユーザーが利用する環境を前提としている。手順としては、まずユーザーが行う情報収集活動(Webアクセスなど)を通じてその興味(取捨選択の基準)をプロファイルデータとして記録する。同時に、そのユーザーが情報収集活動の中で獲得した情報のリスト(購買商品情報など)も蓄積する。複数のユーザープロファイルが集まったら相互に類似度を計算して、興味や関心が類似したユーザーの組を特定する。例えばユーザーAとBが類似している場合、ユーザーAが利用した情報のリストをユーザーBに提示することで、レコメンデーションが実現される。

 協調フィルタリングは内容に基づくフィルタリングと異なり、システムは情報の内容を参照しないため、非テキスト情報に対しても適用できる。また、ユーザーの行動・評価に基づいて実行され、システムサイドでルールの整備などを行う必要がないという特徴もある。

 ECサイトのレコメンデーション・システムで使われる代表的な手法として知られる。最近では、ソフトウェア開発の見積もりへの応用も研究されている。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

注目のテーマ