CSCW(しーえすしーだぶりゅ)情報システム用語事典

computer supported cooperative work

» 2004年09月21日 00時00分 公開
[@IT情報マネジメント編集部,@IT]

 computer supported cooperative workの略で、コンピュータ支援による共同作業を研究する学術分野。共同作業のためのコンピュータ・システムなどの技術的研究のほか、組織やコミュニティにおける行動心理学、集団意思決定、経営学、社会学などにまたがった学際的な研究分野である。

 コンピュータ同士を接続したネットワーク環境をベースに、複数の人間が相互にコミュニケーション、情報共有を行って、それぞれの役割を果たすことで共通の目的を達成するための仕組みというコンセプトは、1960年代にはダグラス・エンゲルバート(Douglas C. Engelbart)のNLSなどがあり研究が進められていたが、1980年代になるとDSS研究が集団を対象にしたGDSS(group decision support system:集団による意思決定支援システム)に発展するのと合流し、1984年にCSCWという名称がイレーネ・グリーフ(Irene Greif)とポール・キャッシュマン(Paul M. Cashman)によって与えられた。グループウェアは、その応用と見ることが出来る。

 CSCWは、共同作業を支援するコンピュータ・システムに関する技術的研究(CS:computer support)と、人間による共同作業そのものに対する研究(cooperative work)の2つに大きく分かれている。1995年からは、CSCWから派生したCSCL(computer support for collaborative learning)という国際的な学会が、コンピュータ技術者や教育、社会学などの研究者によって行われている。

参考文献

▼『CSCWとグループウェア――協創メディアとしてのコンピュータ』 石井裕=著/オーム社/1994年4月


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