CTO(しーてぃーおー)情報システム用語事典

chief technology officer / chief technical officer / チーフ・テクノロジ・オフィサー / 最高技術責任者 / 技術担当役員

» 2005年06月23日 00時00分 公開
[@IT情報マネジメント編集部,@IT]

 企業において、自社の技術戦略や研究開発方針を立案、実施する責任者のこと。米国の企業(株式公開企業)では取締役会の監督の下、経営を行う者をチーフ・オフィサー(CxO)と呼ぶ。CTOはその1つで、特に製造業やIT業界などの技術的イノベーションがコア・コンピタンスとなっている企業においてはCEO(最高経営責任者)、CFO(最高財務責任者)などと並んで極めて重要な役割を持つとされる。

 実際にCTOの肩書を持つ人(あるいはCTOに相当する人)の役割は会社によって異なり、しばしば技術部門や研究開発部門の長を意味する。ただし、チーフ・オフィサーは本来的にはラインに属さない“経営者”であり、米国のMOT(技術経営)の観点ではその実践者、最高責任者と位置付けられる。

 そもそも企業が新しい技術を生み出すために研究開発に投資を行うのは、その技術によって新しい製品・サービスを作り出し、利益に還元していくためである。技術部門がいくら新技術を生み出しても、市場のニーズやタイミングに合わなかったり、他社に見劣りしたりしていては成功とはいえない。また実際には企業の研究所などで生み出された技術が製品化されずに宝の持ち腐れになっていることも多く、これもROIの面から考えれば失敗だといえる。

 こうした意味では、たとえどれほどの技術主導型企業であっても、技術開発は経営戦略に基づいて、設計、製造、マーケティング、販売などの活動と連携して行われるべきものであり、全社最適が必要である。

 それには社内各部門で行われている基礎研究や商品開発、生産技術などの各技術を企業のバリューチェーン全体の中で連動したものとしてとらえ、同時に市場の状況や他社の動向、標準化の動き、行政の支援や規制などのさまざまな要素を考慮に入れて技術動向を先読みして、技術投資の意思決定とリスクマネジメントが行われなければならない。

 これを実現するためには、技術開発と技術投資に対する統一的なビジョン、戦略、権限が必要である。その実践者・意思決定者がCTOだといえる。

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