DI(でぃーあい)情報マネジメント用語辞典

diffusion index / ディアイ / ディフュージョンインデックス / 景気動向指数 / 拡散指数

» 2007年07月09日 00時00分 公開

 「良い/悪い」「上昇/下落」といった定性的な指標を数値化して、単一の値に集約する加工統計手法のこと。または、この方法によって得られた指数をいう。DIは、時系列データであれば値の増加(プラス)/減少(マイナス)、サーベイデータ(アンケートなど)であれば回答を良い/悪いなどの属性に分類し、その属性の個数を集計して全系列数に占める割合などから算出する。

 もともとは循環する景気の動きを計測するために、NBER(全米経済研究所)でウェスリー・C・ミッチェル(Wesley Clair Mitchell)らが1938年に開発したもので、現在でも内閣府が毎月公表している「景気動向指数」の算出などに使われている。DIの具体的な算出方法は、指標によって異なる。

 内閣府の景気動向指数は、景気変動を敏感にを映し出すと考えられている複数の経済指標(季節調整済み)の変化の方向をディフュージョンインデックス(DI)およびコンポジットインデックス(CI)として合成・数値化したもので、景気局面の判断や景気転換点の判定に用いられる。景気動向指数は景況感を表す指標として最も主要なものであり、しばしば「DI」が同義語として使われる。

 景気動向指数DIにおける変化の方向とは、採用指数の系列各月の値が3カ月前のそれと比較して上昇・増加しているか否かのことで、上昇しているものを1、横ばいのものを0.5とカウントして集計し、それを採用系列の総数で除して百分比で表したものがDI値となる。採用指数は「先行系列」(12系列)、「一致系列」(11系列)、「遅行系列」(6系列)に分類され、DIも「先行指数」「一致指数」「遅行指数」のそれぞれが発表される。景気動向指数のDI値は全系列が上昇すれば100%、全系列が下降すれば0%の値を取り、3カ月連続してDI値が50%を上回れば“景気回復局面に入った”というように判断される。

 内閣府の景気動向指数と並んで重視される景気指標に、日本銀行の企業短期経済観測調査(いわゆる日銀短観)の業況判断指数(業況判断DI)がある。これは調査対象企業に「1:良い」「2:さほど良くない」「3:悪い」という質問を行い、1を選んだ回答社数の構成比(%)から3を選んだ回答社数の構成比(%)を引いたものである。この場合、DI値は-100から+100の間を取り、プラスのときは景気拡大期(好景気)、マイナスのときは景気減速期(不景気)と判断される。

 このほかDIは、特定の経済部門(生産、投資、家計など)や特定の産業、特定の地域などに応用でき、地方自治体やシンクタンク、業界団体などが独自のDIを算出している。

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