知識表現(ちしきひょうげん)情報マネジメント用語辞典

knowledge representation

» 2009年09月29日 00時00分 公開
[@IT情報マネジメント編集部,@IT]

 対象の認識や理解の内容、あるいは世界把握の結果である知識を形式的に表現したもの。またはそのための表現方法をいう。

 通例は人工知能や認知科学の文脈で、コンピュータで知識を取り扱うための形式について論じる際に用いる用語である。知識は本質的には人間の精神活動の賜物であり、それと同じ形で知識を表現できるのが最善だが、人間がどのように知識を獲得・記憶・利用しているのかは完全には解明されていない。そのため、仮説としてさまざまな人工言語と表記法が知識表現として考案されてきた。多くは論理学や数学に基づいたもので、コンピュータによる処理を容易にするために構文解析できるような文法を備えている。

 知識表現を説明する際、手続き的表現と宣言的表現の2種類に分類することが多い。前者は「〜を〜する」というように対象に関する操作を処理手順/プロセス(how)として記述するもので、後者は「〜は〜である」という形で事実の集合として、状態/結果(what)を記述する。手続き的表現は対象の動作を自然に表現でき、宣言的表現は知識の修正や追加が容易という特徴がある。

 手続き的表現の代表は、手続き型プログラミング言語で記述されたプログラムである。宣言的表現には述語論理、意味ネットワーク、フレーム、プロダクションルール、スクリプトなどがある。このうち、意味ネットワークやフレームは事実知識に、プロダクションルールは経験的知識に向くとされる。

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