ロジスティクス(ろじすてぃくす)情報マネジメント用語辞典

logistics / ロジスティックス

» 2004年08月02日 00時00分 公開
[@IT情報マネジメント編集部,@IT]

 使用者の活動目的や消費者のニーズなどに応じて、原材料・半製品・完成品などの物品、およびサービスや関連情報のライフサイクルの全過程――特に供給・配送・保全――を最適化するための総合的活動。

 SCM(supply chain management)と似た概念だが、ロジスティクスはやや物流のニュアンスが強い。このため、「物流」「輸送」と同義的に使われることも多いが、ロジスティクスは単にモノを運ぶだけではなく、適時適所に届けることが原義である。定義としてのロジスティクスは、モノの機能ないし届けられた相手の機能を最大限に発揮させるための“支援”に着目し、供給者と需要者の間における原材料や製品・商品の調達・供給を中核としながら、製品やサービスの企画、開発、設計、製造から、運用、撤去、廃棄、設備メンテナンスに至るライフサイクル全体を対象とし、それらの効率化・最適化する無駄のない企業間取引と物流の仕組みにまで概念が拡大されている。

 もともとは軍事用語で、兵員・兵器・弾薬・食料・衣類・医薬品など作戦に必要となる資源を作戦計画に従って必要量を計算し、計画、確保、管理、補給する活動をいう。この意味では兵站(へいたん)と訳される。ビジネスの世界で用いられる場合は、「兵站」と区別して、ビジネス・ロジスティクスともいう。

参考文献

▼『ロジスティクス経営と戦略』 アラン・ハリソン、レムコ・ファン・フック=著/水嶋康雅、浦上忠之=訳/ダイヤモンド社/2005年9月(『Logistics Management and Strategy - 2nd ed.』の邦訳)

▼『サプライチェーン・ロジスティクス』 ドナルド・J・バワーソクス、デビット・J・クロス、M・ボクシビィ・クーパー=著/松浦春樹、島津誠=訳/朝倉書店/2004年3月(『Supply Chain Logistics Management』の邦訳)

▼『ロジスティクス――戦史に学ぶ物流戦略』 谷光太郎=著/同文書院インターナショナル/1993年8月


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