QC活動(きゅーしーかつどう)情報システム用語事典

quality control activities

» 2004年10月08日 00時00分 公開
[@IT情報マネジメント編集部,@IT]

 品質管理の手法を用いて具体的な業務課題の解決に取り組み、その品質の適正保持・効率化・改善などの対策を考え、実践する活動のこと。一般的にQCサークルと呼ばれる小集団による活動を指すことが多い。

 1950年代から始まった初期のQC活動は、米国から導入された統計的品質管理(SQC)に由来するもので、品質のバラツキや異常の把握が中心テーマだった。1960年代に入ると具体的な問題解決の実践として日本独自の小集団活動が開始され、1970年代以降は全社的品質管理(TQC)として発展しながら、製造業を中心に各社で広く実施されるようになった。

 この製造現場のQC活動(QCサークル活動)は、職場ごとに作られたグループを単位に全員参加で人材育成や相互啓発、職場の管理・改善を継続的に行うものである。これは現場作業者による自主的な活動で、経営者や管理者はそれを支援するという立場となる。QCサークルは企業活動への全員参加の意識を生み出し、現場の創意工夫を経営革新に活かすことができる日本型経営手法の典型として評価されている。

 しかし、1980年代に入るとQC活動の活力の低下が指摘されるようになる。これは日本企業の課題の中心が「いかに生産するか」から「いかに販売するか」に移ったためだといわれる。こうした経営環境の変化に対応して、QC活動を製造現場から販売部門や開発部門、管理部門への拡大が志向されたが、不確実性の高いこれらの業務への適応は困難で「QC活動神話」の凋落はいっそう加速されることになった。以後、TQMシックスシグマISO 9000/14000など国際的な手法に取り組む国内企業が増えている。

参考文献

▼『QCサークル活動運営の基本[新版]』 QCサークル本部=編/日本科学技術連盟/1997年7月


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