回帰分析(かいきぶんせき)情報システム用語事典

regression analysis

» 2006年08月25日 00時00分 公開
[@IT情報マネジメント編集部,@IT]

 複数の量的変数があるとき、着目する変数(目的変数)を別の変数(説明変数)で説明する式(回帰式)を求める統計的分析手法のこと。変数間の関係を数式モデル化することで、既知の説明変数から未知の目的変数の値を予測したり、目的変数に対する説明変数の影響の大きさを評価したりすることができ、観測値からの事象の予測、シミュレーション、検証、要因分析などに用いられる。

 一般に変数xとyに対して、xがyに影響を及ぼしていると見なせるとき、yのxに対する関係を回帰と呼ぶ。変数xは説明変数(独立変数、予測変数とも)といい、変数yは目的変数(従属変数、被説明変数とも)という。

 説明変数が1つである場合を単回帰分析(単純回帰とも)、説明変数が複数の場合を重回帰分析という。また、回帰方程式が1次式で表される線形回帰分析(直線回帰とも)、回帰方程式が1次式でない非線形回帰分析(曲線回帰とも)という。

  説明変数と目的変数が
線形的関係 非線形的関係
説明変数が 1つ 線形単回帰分析 非線形単回帰分析
複数 線形重回帰分析 非線形重回帰分析


 線形回帰分析は、比較的簡単に求めることができ、散布図にプロットした場合、一目で理解できることから、幅広い分野で利用される。

 回帰分析は、説明変数によって目的変数を説明するという一方向の関係を仮定するもので、与えられたデータのうち、どれを説明変数とし、どれを目的変数とするかが重要な意味を持つ。例えば身長と体重、気温と農産物の生産高、販売価格と売上高のように、変数間に依存関係や因果関係が推定できないような関係は、式の当てはまりが良好でも有意義な分析とはいえないので、注意が必要である。

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