TQM (てぃーきゅーえむ)情報システム用語事典

total quality management / ティーキューエム / 総合的品質管理

» 2004年04月12日 00時00分 公開
[@IT情報マネジメント編集部,@IT]

 全社的品質管理手法「TQC」を基盤とし、さらにその考え方を業務や経営へと発展させた管理手法のこと。

 1980年代、米国では強い国際競争力を持つ日本の製造業の研究が盛んで、その1つとして日本型TQCを学ぼうとの機運が高まった。しかし、日本の現場主導型改善活動は、米国の企業風土と合わないなどの理由から、会社全体をマネジメントするという観点から、基本的にトップダウンで実施される品質管理のスタイルとなった。これがTQMの発端だとされる。

 TQMでは、最上位の「経営戦略」から「顧客満足向上」「品質向上」へとブレイクダウンしていくマネジメント手法を取っており、“経営品質”の向上がテーマとなる。またTQMは1980年代にちょうど登場した「顧客満足」の概念を取り入れており、「多様化・短期化する市場ニーズに合わせる」ことを目的の1つとしている。

 国内ではバブル崩壊後の1994年ごろから、大企業を中心に従来のTQCからTQMへと呼び名を変更するようになった。1996年には日本のTQCを推進してきた日本科学技術連連盟(日科技連)もTQCという用語をTQMへ変更し、TQM活動が本格化していった。

 ただし、日科技連では「新たなTQMの枠組みは、基本的には従来のTQCの概念・方法論を継承するもの」としており、TQCすべてを否定するものではない。TQCで行われてきたQCサークルなどのQC活動は、TQMを実現する構成要素と位置付けられている。

 TQCが現場の品質管理活動に主眼を置いていたのに対し、TQMでは企業全体での取り組みが重要になる。具体的には、経営的なマクロ視点で品質管理活動を文書化・明確化し、徹底させるという「マネジメント」に重点が置かれるようになった。また、こうした考え方に合致したISO 9000などの国際品質保証規格の取得もブームとなり、TQMは広く受け入れられている。

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