EPCglobal

イーピーシーグローバル

2006年4月4日

 EPCglobalは、バーコードに代わるデータキャリアとしてRFIDとインターネットを利用したEPCglobalネットワークシステムの開発・推進を行うために2003年11月に設立された非営利法人である(本部:米ニュージャージー州プリンストン)。前身であるAuto-IDセンターを発展解消する形で、国際EAN協会(国際的な流通コード標準化機関:現GS1)とUCC(米国の流通コード管理組織:現GS1 US)が中心となって発足し、2006年1月時点で774のメンバーが参加している。なお、EPCとはElectronic Product Codeの頭文字である。

 EPCglobalネットワークとは、「ICタグをつけた商品やパレットなどをサプライチェーン全体で無線スキャナで識別するともに、ICタグに書き込まれた当該商品のEPCコードをキーとしてインターネット経由で関連データベースにアクセスし、その商品の属性情報を即時に取得する」ものとして説明されている。

 EPCglobalネットワークの構成要素は、タグ、リーダ/ライタ、タグ情報を収集したりフィルタリングしたりするミドルウェア(ALE:Application Level Event)、読み取ったEPCコードと商品のデータをひも付けるEPC IS(EPC Information Service)、ネットワーク上に分散されたEPC ISを検索するためのONS(Object Name Service)である。これらに加えてERPやWMS(倉庫管理システム:Warehouse Management System)などの社内システムが連結される。

 EPCglobalの理事会は17メンバーで構成されており、日本からはGS1 Japanとして財団法人流通システム開発センター、家電分野の代表としてソニーが参加している。理事会のほかには、エンドユーザーのニーズをくみ上げて業界ごとの要求仕様をまとめるBusiness Action Group(BAG)と、タグやリーダ/ライタなどの仕様を決めるHardware Action Group(HAG)、アプリケーションなどの仕様を決めるSoftware Action Group(SAG)に分かれて活動している(HAGとSAGを合わせてTAG:Technical Action Groupと呼ぶ)。このほかに、学術的な研究を進めるAuto-ID Labsがある。Auto-ID Labsには慶應義塾大学を含む7大学が参加し、会長を村井純氏が務めている。

 2006年1月現在、BAGにはFMCG(Fast Moving Consumer Goods:日用消費財業界、Walmartなどが参加)、HLS(Healthcare and Life Sciences:医薬品/ヘルスケア関連業界、Pfizerなどが参加)、TLS(Transportation and Logistics Services:国際物流業界、DHLや日本郵船などが参加)の3つが存在している。BAGはほかの業界への拡大が検討されており、自動車産業、航空産業、アパレル・ファッション産業、防衛産業が設立の方向で動いている。さらに、食品、家電、石油化学などのBAGの立ち上げが検討されており、家電業界については国内主要家電メーカー8社がコンソーシアムを結成して活動が始まっている。

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