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» 2001年06月19日 00時00分 公開

ファイアウォール運用の基礎(2):サーバの要塞化とTCP/IPの基礎知識 (3/3)

[田原祐介,株式会社ラック/不正アクセス対策事業本部]
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サーバの要塞化

 サーバの要塞化を実現する方法の1つとして、不必要なサービスの無効化があります。デフォルトで起動しているサービスのほとんどは、設定ファイルを変更したり、サービスを提供しているプロセスを起動しないようにすることによって、サービスを無効にすることができます。アクセス制限やパケットフィルタリングでは、サービスを利用できるマシンやユーザーを限定しますが、まったく必要としないサービスについては、サービス自体を無効にした方がよいでしょう。

 Solaris 8において、デフォルトで起動しているサービスを無効にして、telnetやftpサービスのみを有効にするには、「/etc/rc2.d」にある以下のファイル名の前に「_(アンダースコア)」という文字を付け、名称を変更します。

(例:「/etc/rc2.d/S71rpc」→「/etc/rc2.d/_S71rpc」)

 S71rpc     S73nfs.client   S74autofs

 S74xntpd    S80lp       S85power

 S88sendmail   S90loc.ja.cssd   S90wbem

 S95IIim     S99dtlogin

次に、「/etc/rc3.d」にある以下のファイルの名称も同様に変更します。

(例:「/etc/rc3.d/S15nfs.server」→「/etc/rc3.d/_S15nfs.server」)

 S15nfs.server  S76snmpdx    S77dmi

 また、「/etc/inetd.conf」でリスト3にある行だけを残して、すべての行をコメント化(「#」を行の先頭に追加)します。

リスト3 「/etc/inetd.conf」で、上記の行以外をコメントアウトしておく

 間違いがないことを確認した後、マシンを再起動します。再起動後、使用しているポートと、起動しているプロセスは以下のようになるはずです(リスト4・5)。telnet(21)とftp(23)が使用しているポートのみLISTENになっていることを確認してください。

リスト4 設定変更後に空きポートの状態を調べたところ
リスト5 設定変更後に起動プロセスの状態を調べたところ

 こうしてみると、インストール直後のデフォルト状態にあるOSには、かなりの数の不要なサービスとプロセスが起動していることが分かります。これらの不要なサービスを無効にしておくことで、サービスを攻撃に利用されることを防ぎます。このように要塞化されたサーバ*1では、最低限のプロセスしか起動していないので、サーバの状態を把握しやすくなります。サーバの管理のしやすさという面でも、ぜひ行っておきたい作業の1つです。

*1ここで紹介した不要なサービスの無効化は、あくまで要塞化の一手順にすぎません。これを行っておけば完璧というものではないので注意してください


ログの管理

 サーバのログには、不正アクセスに関する兆候や形跡だけでなく、アプリケーションのエラーも出力されます。そのため、セキュリティ対策だけでなく、サーバを安定して稼働させるためにも、ログから正しい情報を読み取ることができなくてはなりません。

 Solarisの場合、「/var/adm/messages」「/var/log/syslog」にほとんどのサービスのメッセージが出力されます(Solarisなどの標準的なUNIXの場合、これらのログファイルの場所は「/etc/syslog.conf」で定義されています)。これらのファイルにはテキスト形式でログが記録されるので、「failed」「refused」「reject」「error」などのキーワードで、不審なアクセスがないかチェックします。

 また、普段使っていないはずのIPアドレスから接続がないかを確認します。Solarisはデフォルトではログが記録されないため、「/etc/init.d/inetsvc」の以下の行を変更してマシンを再起動します。

【変更前】

/usr/sbin/inetd -s &

      

【変更後】

/usr/sbin/inetd -s -t &


この変更後、例えばtelnetでリモートログインすると、

のようなログが出力されます。

 ログの監視には、swatchのようなツールを使うという方法もありますが、あくまでキーワードによるパターンマッチングでしかないので、やはり普段からログに慣れておくということが大切です。

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