連載
» 2004年02月04日 00時00分 公開

エンタープライズ・モニタリングのつぼ(中編):サーバやリソースをモニタリングするには (1/2)

[岩村郁雄,日本アイ・ビー・エム システムズ・エンジニアリング]

 エンタープライズ・モニタリングのつぼ(前編)では、ITインフラストラクチャーの屋台骨であるネットワークのモニタリングについて解説しました。中編では、「リソースやサーバ・ハードウェアリソースのモニタリング」を解説します。

 まず、モニタリングの対象となるリソースをハードウェアとソフトウェアに分類します。そして、サーバの「ハードウェアリソース」として、CPU、メモリ、ハードディスクなど、サーバに搭載されたハードウェアリソースを監視する技術と、RAIDやUPSなどの機構をオペレーティングシステムの状態に依存せずに独立して監視する技術をご紹介します。

 サーバ上のプロセス監視に始まり、あたかもクライアントがサーバを使用しているかのようなシミュレートを行い監視する技法まで、多種多様な監視技術について実例を挙げてご紹介します。

リソースの監視技術

 コンピュータシステムは、ハードウェア、ソフトウェア、ネットワークなどのシステム資源を使って処理を行っています。その中でも、アプリケーション本体が稼働するサーバ機のリソースは特に重要です。アプリケーションが正常にサービスを提供できるようにするためには、さまざまな角度からサーバリソースを監視する必要があります。

サーバ、クライアント、ネットワーク機器

 では、監視が必要なリソースとはどのようなものでしょうか。「resource 【コンピュータ】リソース=メモリ、CPUパワー、ディスクの空き容量などの総称『三省堂 「EXCEED 英和辞典」』」とあるように、コンピュータはリソースを使用して処理を行っています。ここでは次のような観点でリソースを大別することにします。

サーバ オペレーティングシステム上でアプリケーションが稼働し、サーバとしてのサービスを提供するマシン
クライアント オペレーティングシステム上で、サーバのアプリケーションを利用するクライアントコンポーネントが稼働するマシン
ネットワーク機器 オペレーティングシステムの有無を問わず、ルータ、ハブ、ファイアウォールなど、ネットワーク・インフラ機能を提供する機器
その他 RAIDやUPSなど特定のストレージ装置や電源装置のハードウェア機構
表1 リソース大きく分類する

リソースの分類

 次に、ハードウェアとソフトウェアで分類し、さらに個々の性質を加味して監視対象リソースを詳細化します。

大分類 中分類 小分類 監視対象リソース
サーバ ハードウェアリソース 標準機構 CPU、メモリ、ハードディスク、ネットワークアダプター
拡張機構 拡張アダプター、電源装置
ソフトウェアリソース オペレーティングシステム Linux、AIX、Solaris、HP-UX、Windows2000、Windows2003、NetWareなど
ミドルウェア RDBMS(Oracle, UDB, SQL Server, Sybaseなど)、TP/MQ、LDAPなど
アプリケーション Webサーバ、Webアプリケーションサーバ、負荷分散ソフトウェア、NIS、DNS、メールなど
クライアント ハードウェアリソース 操作用PC ユーザー用PC、操作用PC、操作端末、ネットワークアダプターなど
ソフトウェアリソース オペレーティングシステム Linux、WindowsME、WindowsXPなど
アプリケーション クライアント用ソフトウェア
ネットワーク機器 ハードウェアリソース 機器本体 ルータ、スイッチ、ハブ、負荷分散装置
ソフトウェアリソース SNMPによるインテリジェント機能 SNMP MIB情報、SNMP Trap情報
ファイアウォール機能 ファイアウォールソフトウェア、IDS※1
その他 特定ハードウェア機能 ストレージ機構 RAID、ベンダー提供のストレージ装置
電源機構 UPS(無停電電源装置)
表2 監視対象リソースを詳細化する
※1 IDS: Intrusion Detection System 侵入検知システム

 上記の分類を図式化すると図1のようになります。

図1 モニタリングの監視対象 図1 モニタリングの監視対象

 これらリソースの中で、ネットワーク・モニタリングについては前編で解説しました。また、クライアントのリソース監視については、要件を絞り込み、サーバのリソース監視に準じて実施するのが一般的です。次章からはサーバリソースに注目し、まず、サーバのハードウェアリソースを対象としたモニタリング技法を解説します。

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