連載
» 2005年05月20日 00時00分 公開

コマンドを使ってトラブルシューティング(8):無線LANでメールがたまに受信できない? (1/2)

[山本洋介,@IT]

この連載について

この連載では、100人くらいのユーザーのいる小規模ネットワークに起こるさまざまなトラブルを、ネットワークツールを用いて解決していきます。主人公は、社内の管理者兼プログラマーの律子さん。前回のトラブル・シューティングの模様は第1回「LANから外に出られない」、第2回「どうして課長だけプリントできない」、第3回「ネットワークに同じIPアドレスが2つある?」、第4回「メールが受信できない!?」、第5回「ファイルがアップロードできない?」、第6回「わたしだけネットワークにつながらない」、第7回「特定のサイトにだけアクセスできない」をご参照ください。


メールが“たまに”受信できないという苦情

 律子さんの会社では、業務の性質上出先でノートパソコンを持ち運びして、外出先で作業することがよくあります。最近のノートパソコンは無線LAN機能がすでに備わっているものも多く、会社のネットワークにも無線LANでアクセスしたいという要望も多くなってきました。

 そこで律子さんの会社は無線LANのアクセスポイントを設置することにしました。最近のアクセスポイントは電源を入れるだけですぐに使えるようになっているので、面倒くさがりな兼業管理者の律子さんでも簡単です。

 設置した無線LANアクセスポイントは特にトラブルもなく稼働していましたが、忙しい日常の中でアクセスポイントのことなど律子さんがすっかり忘れてしまったある日、先輩の友一さんがやって来ました。

 食事に連れて行ってくれるのかと、一瞬胸を時めかせました。しかし、納期が近く、せっかくのお誘いはありがたいけれど、断った方がいいか……、などと1人先走って考えてしまいましたが、どうやら飲みに連れて行ってくれるわけではなく、何やら相談のようです。

友一 「無線LANが使えるようになって便利になったよね。律子さんのおかげだよ」

律子 「いや、そんな、ははは」

 この人が褒めてくれるときは、絶対何か裏があります。

友一 「ところで、最近、メールが“たまに”受信できないんだけど、律子さん、どうしてだと思う?」

律子 「メールサーバ調子悪いんですかね」

友一 「でも“たまに”なんだよね」

律子 「たまに、ですか」

 やっぱり、よく分からない相談です。とはいえ現象が起こらないことには動けません。とにかくメールが受信できないときに呼んでもらうことにして、先輩にはその場はお引き取り願うことにしました。

 取りあえず周りの人たちに聞き取り調査をしてみたのですが、特にメールの送受信に関して変わったことは起こっていないようです。

 数日後、律子さんは友一さんに呼び出しを食らいます。大体呼ばれるときは忙しいときなので困ったものですが、約束してしまった以上、断れるわけもなく、先輩のマシンまでのこのこ向かいます。友一先輩は自分のPCのメーリングソフトの動作を律子に見せて、「ほら、いま、受信できないだろ」と言ってきます。

 律子さんは友一さんに代わってメールソフトの受信ボタンをクリックしてみましたが、やはり受信できません。

  え、なぜ……、おかしい……。律子さんはいつものように、コマンドプロンプトを立ち上げて、Pingを打ってみます。

友一先輩のPCからメールサーバに向けてPingを打ってみるが……

C:\Documents and Settings\keketa>ping mail.example.co.jp
 
Pinging mail.example.co.jp [220.111.37.180] with 32 bytes of data:
 
Reply from 220.111.37.180: bytes=32 time=14ms TTL=54
Reply from 220.111.37.180: bytes=32 time=14ms TTL=54
Reply from 220.111.37.180: bytes=32 time=14ms TTL=54
Reply from 220.111.37.180: bytes=32 time=13ms TTL=54

 結果を見ると、Pingは普通に通っています。

 そして、ブラウザを使っていくつかのサイトにアクセスしてみましたが、これも問題なく接続できました。

 律子さんは今度は、メールサーバの調子が悪いのかと思い、自分の席に戻って別のノートパソコンを用意して、同じように自分のメールを受信してみますが、普通に受信できています。

 もう手の打ちようのなくなってしまった律子さんですが、しばらくじっと考えていると、1つのアイデアが頭に浮かびました。さまざまなトラブルに遭遇したおかげで律子さんも少しは成長したようです。

 POPサーバの細かいエラーをチェックするにはtelnetを使えばいいんだ(*1)ということで律子さんは先輩の席にまた戻り、telnetを使ってPOPサーバにアクセスしてみることにします。

友一先輩のPCからtelnetでpopサーバにアクセスしてみる

C:\Documents and Settings\keketa>telnet mail.example.co.jp 
接続中: 220.111.37.180...ホストへ接続できませんでした. ポート番号 110: 接続に失敗しました

 メールサーバに接続すらできません。どうやら接続を拒否されているようです。

 「え、何が悪いの……」と、またまた律子さんはパニックになってしまいました。いろいろなケースを考えてみますがどれもうまくいきそうにありません。しばらく悶々と考えていましたが、またまた解決できそうな結論が出ました。

 これはマシンの問題で、きっとウイルスかスパイウェアが邪魔しているに違いありません。そう思った律子さんは自分のマシンからメールサーバにtelnetでアクセスして、先輩のアカウントで入ってみると簡単に入ることができました。

 やっぱり、このマシンがおかしかったのね。ふふふ。

 これで一応、友一先輩のメールは受け取れるということが分かりました(律子さんのマシンからですが)が、先輩のマシンからはウイルスもスパイウェアも出てきません。hostsファイルも確認してみました(*2)が、書き換えられた様子はありません。

 しかも、友一先輩のマシンからでもたまに受信できる、ということで、たまにウイルスが活動しているからなのか? と考えていくと、もしかして、自分の解決策は間違っているかもしれない、と律子さんはまたまた訳が分からなくなってきました。

 律子さんが先輩のノートパソコンを前に固まっていると、マシンから「メッセンジャ サービス」というタイトルのメッセージボックスがポップアップされてきました。

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