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» 2006年12月08日 00時00分 公開

転職活動、本当にあったこんなこと(4):入社3年目で転職なんて許さん! (1/2)

多くのITエンジニアにとって「転職」とは非日常のもので、そこには思いがけない事例の数々がある。転職活動におけるさまざまな危険を紹介し、回避方法を考える。

[辻貴由,アデコ]

 「転職なんて自分だけの問題でしょ」などと考えてはいませんか。もしそう考えているのであれば、それは大きな間違いです。

 もちろん、本人の努力なしには転職は成功しません。しかし転職を成功させるポイントの1つには、「家族の理解を十分に得ていること」があると思います。転職は自分だけの転機ではなく、家族にとっても大きな転機であるということを、まずは理解していただきたいと思います。

 今回は、家族の理解を得られなかったために転職に失敗した事例について述べたいと思います。

「家族には知らせないで」

 弊社に登録する転職希望者の中に、たまに「家族には知られたくないので自宅へは連絡をしないでください」という人がいます。それぞれの事情があると思いますので、私も細心の注意を払い、ご家族に知られないように、指定された携帯電話やフリーメールへの連絡のみで転職支援を進めます。

 しかし、私はそういった場合、非常に不安を感じてしまいます。

「家族としっかりと話し合ったのだろうか?」

「家族の同意は得られたのだろうか?」

と。

 このような不安が的中した2つの事例を紹介しましょう。

引っ越し絶対反対!

 長谷川さん(仮名)は大阪在住の34歳。2年前に念願のマイホームを購入し、奥さんとお子さん2人(2歳、6カ月)に囲まれて、楽しい日々を過ごしていました。

 彼はある中堅システムインテグレータ(SIer)で、長年にわたり製造業向けの会計システム、販売管理システムの開発を担当し、プロジェクトリーダーとしての経験も積んでいました。今後は顧客の経営戦略からの問題解決にかかわることのできるシステムコンサルタントとしてキャリアを積んでいきたいと考え、転職活動を始めたのです。

 当初、長谷川さんは関西地区を中心に求人を探していました。しかし、大阪勤務の求人案件であっても、多くは東京への転勤が大前提です。転職活動はなかなかうまく進みません。大変悩んだ末、長谷川さんは勤務地の優先度を下げ、東京勤務の求人も視野に入れて仕切り直しをしました。

 当然、選択肢は広がります。いくつかのコンサルティングファームへ応募し、1カ月後には本命の東京のコンサルティングファームから内定を獲得しました。

 しかし、その段階になってもまだ、長谷川さんは奥さんへ話を切り出せないでいました。「内定が出てから相談すればいいか。きっと分かってくれるだろう」と考えていたそうです。これが大きな間違いでした。奥さんに東京での採用を打ち明けたところ、猛反対にあってしまったのです。

 奥さんにすれば、念願のマイホームを手放したくはありません。見知らぬ東京へ転居することや、そこで2人の子どもを育てていくことにも不安を覚えていました。長谷川さんが単身赴任するとしても、二重生活による生活費の増加や、1人で育児をすることに対してやはり不安があります。何よりも事後報告であることに怒りを感じていたようです。

 長谷川さん自身も、東京勤務ということに気持ちのどこかで引っ掛かりを感じていたので、強い意志を持って奥さんを説得することができませんでした。

 結局、奥さんの理解は得られず、長谷川さんは内定を辞退することになってしまいました。

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