連載
» 2006年12月09日 00時00分 公開

SQL Server 2005で学ぶデータ分析(1):ビジネスインテリジェンスとは何か (1/3)

ビジネスインテリジェンス(BI)の概要を解説した記事が多くのメディアで取り上げられるようになり、その基本的な理解は深まったと思われる。このような現状を踏まえ、本連載ではさらに一歩踏み込んだ内容として、データ分析の手法や注意点に焦点を絞った実践的な解説を展開する。(編集部)

[高橋恭之,日本ユニシス株式会社]

 最近ではビジネスインテリジェンス(Business Intelligence:BI)という言葉が定着して、多くの本や雑誌で各ベンダが提供するBIツールを取り上げた記事を見掛けます。BIツールの機能に関する解説はベンダが行っているため、本連載ではこれからデータの分析を行う、またはデータ分析に関する知識を深めたい方を対象に、BIツールを使ってどのような分析ができるのかという「データの分析」に着目して、基本的な知識とポイントを解説します。

 本連載では、第1回と第2回でデータ分析の基礎知識を解説し、第3回と第4回でSQL Server 2005のAnalysis ServicesとReporting Servicesを使ってデータ分析の実践を解説します。また、第5回にデータ分析の支援機能としてIntegration ServicesによるETLとBI Portal Sample Applicationによるポータル機能の解説を予定しています。

データ分析の変遷

 「企業内外にある膨大なデータから有用な情報を引き出して企業の意思決定に活用する」という考え方は、メインフレーム時代からの永遠のテーマになっています。1970年代のMIS(Management Information System)、1980年代のDSS(Decision Support System)は経営者の意思決定を支援することを目的にしていましたが、実際は主に一部の専任アナリストが利用するシステムでした。

 1990年代に入ると、膨大な企業データを蓄積するデータの格納庫としてのDWH(Data Warehouse)が、また蓄積されたデータを活用するための技術としてのOLAP(Online Analytical Processing)やデータマイニング(Data Mining)が注目を集めてきました。しかし、OLAPやデータマイニングも専門性が求められるため、一般ユーザー、企画部門、あるいは経営層がデータを活用する場合には、情報システム部門にデータの抽出や加工を依頼しなければならない状況でした。

 2000年に入り、ITが業務の効率化や自動化を実現する以外に、意思決定を強力に支援できる戦略的なツールであるという認識が広がった点と、ITにより急速に企業内に大量のデータが蓄積され、戦略的に活用するニーズが高まったこともあり、ビジネスインテリジェンスという考え方が注目を集めました(コンセプトはガートナーグループのアナリスト、ハワード・ドレスナー(Howard Dresner)氏が1989年に提唱していました)。

 ビジネスインテリジェンスとは、企画・経営層や一般ユーザーが、情報の専門家に頼ることなく、自らが売り上げや顧客などのデータ分析を行い、迅速に意思決定を行うコンセプトとして位置付けられています。一部の限られた人間ではなく、全社員がデータを活用して迅速に意思決定を行う点が、これまでのデータ分析システムとは大きく異なります。近年では、ビジネスインテリジェンスを実現するためのハードウェアやソフトウェア環境が充実してきており、マーケットとしては今後も拡大が期待されています。

年代 分析システム/分析手法 特徴
1970年代 MIS
(Management Information System)
経営情報システム
経営者が意思決定を行う際に必要な情報を、必要なときに提供するシステム
1980年代 DSS
(Decision Support System)
意思決定支援システム
経営者が必要な情報を、必要なときに取得できることを目的とした経営管理システム(EUC)
1990年代 DWH
(Data Warehouse)
データウェアハウス
企業内に散在するデータを戦略的に活用することを目的に、統合して管理するデータの格納庫
1990年代中頃 OLAP
(Online Analytical Processing)
多次元分析処理
さまざまな角度からデータを分析して、仮説を検証するシステム。エンドユーザーが直接操作をして分析する手法
1990年代後半 DM
(Data Mining)
データマイニング
統計学のアルゴリズムを用いて大量のデータを解析して、潜在的なパターンや相関関係を見つけ出す分析手法
2000年代 BI
(Business Intelligence)
ビジネスインテリジェンス
全社員が必要なデータを自身で自在に分析して、迅速な意思決定を実現するための概念
表1 分析システム/分析手法の変遷
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