Java 5版MergeDocでEclipse 3.2のホバーを日本語化JavaTips 〜Eclipse編

» 2007年04月17日 10時00分 公開
[平野正喜@IT]

 「Java 5へのEclipse 3.2のインストールと日本語化を行う」で説明した手順によりEclipseをインストールした後に、より使いやすい日本語環境を構築するには、併せて、ホバーの日本語化をお勧めします。

 なお、この手順を行う前に「Eclipse 3.2でJava 5版Javadocとライブラリを関連付ける」の手順を実行しておく必要があります。

 本稿で用いるアーカイブファイル名は以下のとおりです。

内容 アーカイブファイル名 サイズ
MergeDoc for javadoc 1.5 mergedoc.zip 1.59Mbytes

「ホバー」とは何か?

 「ホバー」とは、Eclipseのワークベンチ上で、Javaクラス名変数名などの上にカーソルを置いたときに、説明がバルーン状にポップアップ表示される機能です。

 ホバーは、Javaソースファイル(src.zip)を用いているため、Eclipseにランゲージパックを加えただけでは、日本語化されません。そこで、Javaソースファイル日本語APIドキュメントを併合して、日本語化されたJavaソースファイルを構築するのが、「MergeDoc」です。

図1 英語のままのホバー 図1 英語のままのホバー

Java 5版MergeDocのダウンロード

 アーカイブファイルをSourceForge.jpのWebページ「SourceForge.jp Project Info - MergeDoc」からダウンロードします。

 ブラウザにこのページが表示されたらページ下部にスクロールダウンし「MergeDoc for javadoc 1.5」の右側の「Download」をクリックします。

図2 「SourceForge.jp Project Info - MergeDoc」ページ(2007/4現在) 図2 「SourceForge.jp Project Info - MergeDoc」ページ(2007/4現在)

 「SourceForge.jp Project File List」ページが表示されるので、「MergeDoc for javadoc 1.5」の「mergedoc.zip」をクリックします。

図3 「SourceForge.jp Project File List」ページ(2007/4現在) 図3 「SourceForge.jp Project File List」ページ(2007/4現在)

 「ファイルのミラーを選択してください」ページが表示されますので、ダウンロード元サーバを選びます。今回は「OSDN」(Open Source Development Network:東京)をクリックします。

図4 「ファイルのミラーを選択してください」ページ(2007/4現在) 図4 「ファイルのミラーを選択してください」ページ(2007/4現在)

 ダウンロードを開始しますので、適当なディレクトリに保存します。

Java 5版MergeDocのインストール

 まず、zip形式のアーカイブファイルを展開(解凍)し、適当なディレクトリに配置します。ここでは、「C:\Program Files\Java\mergedoc」に配置したとして、説明します。

 Java 5javawコマンドを用いて「mergedoc.jar」を実行します。WindowsにJ2SE 5.0をインストールしてあれば、マイコンピュータエクスプローラから「mergedoc.jar」をダブルクリックすることでjavawコマンドが呼び出されます。

 実行できない場合は、コマンドプロンプトなどで「java -jar mergedoc.jar」を実行します。

 [MergeDoc-設定]ウィンドウが表示されますので、APIドキュメントディレクトリ、入力および出力ソースアーカイブディレクトリを以下のように設定し、実行をクリックします。

項目名 設定内容
APIドキュメントディレクトリ インストールしたJava日本語ドキュメントの中の「api」ディレクトリ C:\Program Files\Java\jdk1.5.0_11\docs\ja\api
上記の右側 エンコードを指定 EUC-JP(J2SE 5.0日本語ドキュメントの場合は固定)
入力ソースアーカイブディレクトリ インストールしたJDKのソースアーカイブファイル(src.zip/jar/tar.gz/tgz) C:\Program Files\Java\jdk1.5.0_11\src.zip
上記の右側 エンコードを指定(JDKの場合はいずれでも可) MS932
出力ソースアーカイブディレクトリ ファイルの出力先 C:\Program Files\Java\jdk1.5.0_11\srcja.zip
上記の右側 使用するエディタや IDE の設定に合わせてエンコードを指定 MS932
詳細設定 必要に応じて すべてオフ
図5 [MergeDoc-設定]ウィンドウ 図5 [MergeDoc-設定]ウィンドウ

 進行状況が表示されますので、完了したら[終了]をクリックします。

図6 [MergeDoc-完了]ウィンドウ 図6 [MergeDoc-完了]ウィンドウ

Eclipse 3.2.1の設定

 Eclipseメニューの[ウィンドウ]→[設定]を実行して設定ウィンドウを開き、[Java]→[インストール済みのJRE]をクリックして[インストール済みのJRE]を表示します。JDKの方を選択し[編集]をクリックします。

図7 [インストール済みのJRE]画面 図7 [インストール済みのJRE]画面

 [JREシステム・ライブラリー]にある「rt.jar」を開き、[ソース添付]を選択して、[ソース添付]ボタンをクリックします。

図8 [JREの編集]画面 図8 [JREの編集]画面

 [ソース添付構成]ウィンドウが表示されますので、ロケーション・パスに先ほどMergeDocで作成したzipファイル(C:\Program Files\Java\jdk1.5.0_11\srcja.zip)を指定し、[OK]を次々とクリックして完了します。

図9 「ソース添付構成」画面 図9 「ソース添付構成」画面

動作確認

 MergeDocで作成したzipファイルに差し替えると、Eclipseのワークベンチ上で、Javaが用意しているクラス名の上にカーソルを置いたときに表示されるホバーが日本語になります。

図10 日本語化されたホバー 図10 日本語化されたホバー

 Javaが用意しているクラス名だけでなく、フィールド名メソッド名などに表示されるホバーも日本語化されますので、Eclipseの使い勝手が大幅に向上します。

MergeDocの著作権は、Shinji Kashiharaさんにあります。本稿は、「MergeDoc for javadoc 1.5」付属のreadme.txtを参照しつつ、独自に行った結果を掲載しています。


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