総集編 新人はやっぱりそこが分かってない!総集編 新人はやっぱりそこが分かってない!

今年もIT業界に新人たちがやってきた。そこで、@IT自分戦略研究所にある新人関連記事を一挙に紹介。新人を迎え入れる先輩にも、新人の皆さんにも、大いに活用してほしい記事ばかりだ。

» 2007年04月20日 00時00分 公開
[長谷川玲奈@IT自分戦略研究所]

新人がやってきた

 早いもので、もう4月も半ばを過ぎました。企業における4月の一大事件といえば、新人の入社ですね。皆さんの会社には新人はやってきましたか? その初々しさをほほえましく思ったり、何年か前の自分の姿を重ね合わせてみたり、あるいはあまりにも若々しい(社会人の先輩から見れば非常識な?)感性に仰天したり……。迎える側の気持ちもいろいろだと思います。

 若手の皆さんだと初めての後輩ができてうれしい半面、どのように接したらいいのか分からないということもあるのではないでしょうか。

 @IT自分戦略研究所には、新人をテーマにした記事が盛りだくさん。先輩と新人との付き合い方、指導する側として知っておくべきこと、新人に身に付けてほしい心構え、新人向けの書評などなど、先輩にも新人にも役立つヒントがいっぱいです。それでは、実際に記事を紹介しましょう。

新人に分からない「常識」がある

「新人君、頼んでおいた今日締め切りの仕事だけど」

ああ、あれ結局できなかったんで先輩やっといてください

「……」

新人が知らない会社の常識」より


 初めに紹介したいのが、「新人が知らない会社の常識」。用語の常識、電子メールの常識、連絡の常識などなど、ついこの間まで学生だった新人が知らない「会社の常識」は大量にあります。新人がつまずくことの多い事例を取り上げ、指導のポイントを解説しています。

ギャップ1 新人は質問の仕方を知らない

新入社員が質問にくるときの良くないパターンとして、「手ぶらで質問にくる」「状況を説明せずに質問する」などが多いのではないでしょうか。

学生時代には、メモを持って質問しにいくという経験をしていない人が多いので、ついつい手ぶらで質問しにきてしまうのは、ある意味致し方ないと思います。また、積極的に質問をしてくるものの、自分の状況をまったく説明せずに目前の困っていることをいうだけなので、状況のヒアリングに多くの時間を要してしまうというケースもあるでしょう。

新人はスケジューリングをしない」より


ギャップ10 新人はリセットしたがる

新入社員の作成した設計をレビューした段階で「これはやり直した方がよい」と思っても、あえてやり直しをさせず、そのまま最後まで設計させ、実装させることがあります(新入社員にしてみれば、「気付いているのになぜ指摘してくれないのか」と反感を覚えるところでもあるのですが)。

実際の業務では、やり直したいと思った時点ではすでに作り直しができない状況になっていることの方が多く、そのことを少しでも新入社員に経験させたいという目的があるのです。作り直しのできない状況で現実的なソリューションを少しずつ積み上げていく経験は、そのときはつらいですが、後々の開発できっと役に立つだろうと思っています。

新人は納期の重みが分かってない」より


 続いては「新人はスケジューリングをしない」「新人は納期の重みが分かってない」。前編・後編として公開されたこの記事では、新人(相手)のことと先輩(自分)のことをよく知り、そのギャップを把握することが重要だと説明しています。「新人は開発案件がどうやって利益を得ているか知らない」「新人はやりたいところしかやらない」などのギャップを確認し、指導に備えましょう。

コーチングで新人指導

いまの業務に加えて、新たに部下や新人の面倒も見なければならないとするとかなり大変だ。何かコツがあれば助かるのだが……と思うことはないだろうか。そんなとき、コーチングを導入するのはどうだろう。

新人が来る前に、コーチングの予習をしよう」より


さて、そのように重要なリーダーシップがあなたにあるかないか、それを決めるのは誰でしょうか。それはリードされる人、当コラムの文脈でいえば新人です。新人があなたのリーダーシップを認めて自発的にあなたについていくのを見て初めて、同僚も上司もあなたのリーダーシップを認めてくれるのです。

新人を迎える君へ贈るリーダーシップ超入門」より


 「新人が来る前に、コーチングの予習をしよう」「新人を迎える君へ贈るリーダーシップ超入門」では、コーチングとリーダーシップという観点から新人指導を考えています。この機会に、2つの世界をのぞいてみませんか。

困ったちゃんの新人への接し方は?

矢嶋 でも、わたしだって理想のエンジニアとかじゃないし、毎日手探りでやってるんですよ。自分にだってできないこともありますし、それを一貫した根拠を持ってほめろしかれといわれても無理です……。堀内 分かります。そこで「ありのまま」という戦略が有効になってくるんです。

初めての部下のほめ方、しかり方


 ある若いプログラマとの対話から生まれた記事が、「初めての部下のほめ方、しかり方」。社会人3年目のプログラマの矢嶋さんは、まじめだけれども「常識なさすぎ!」な新人の指導にちょっと困っているようです。特に「ほめたりしかったりするのが苦手」とのこと。

 そこで提示されたのが「ありのまま」という戦略でした。矢嶋さんの発見は必ず、初めて部下を持つ皆さんの参考になると思います。

最初から「できません」という新人支持

「約束をしないのと約束を破るのでは雲泥の差」

「締め切りを過ぎた作業のフォローをするより、最初からできないといい張る新人を説得する方がコストが少なくて済む」

「『できません』の理由は必ず聞く。理由なしでできないのは許さん!」締め切りを過ぎてから「できませんでした」という新人支持

「新人で判断力も十分ではないのに、取り組む前から結論を出すのは意欲がないとしか思えない」

「締め切りに間に合わないのは指導で矯正できそうだが、最初から『できません』病はどうにもならないことが多い」

「何もしないうちにあきらめる人とは一緒に仕事できない」

こんな新人は勘弁してくれよ?」より


 息抜きのための記事に見えますが、意外と先輩エンジニアの本音が詰まっているのが、アンケート記事「こんな新人は勘弁してくれよ?」。「プログラミングセンスは抜群だが、目を合わせずあいさつもできない新人」「明るくほがらかでやる気もあるが、プログラミングセンスがゼロの新人」、どちらか1人選ばなければいけないとしたら? こんな究極の選択を3つ考えてみました。いただいたコメントを見ていくと、現場でどのような新人が求められているのかが分かってきます。

もちろん、新人にお薦めの記事も

文系の皆さんは、新人研修としてプログラム言語などの講義を受けるのであれば、その内容を確実に自分のものにするように心掛けておけばよいでしょう。プログラム言語と聞くと「頭が痛くなる」人もいるようですが、外国語だと割り切ってしまえばさほど苦にならないと思います。

少なくともプログラミング言語は、英語よりもずっと簡単ですよ。一歩一歩確実に進んでいきましょう。

新人エンジニアに贈る、プロとしての心構え」より


 これまでに紹介したのは、どちらかといえば新人を迎え入れる先輩エンジニア向けの記事(もちろん、新人の皆さんが読んでもためになりますよ)。ここからは新人の皆さん向けの記事を紹介しましょう。

 「新人エンジニアに贈る、プロとしての心構え」ではちょっと視点を変え、文系出身者・理系出身者それぞれがIT業界で注意すべき点を挙げています。

 IT業界では初めのうち、文系と理系で違いが出るといわれていますが、実務に入ってしまえばほとんど差はないようです。記事中でも触れていますが、むしろ文系・理系にかかわらず重要なことの方が多いのです。文系の皆さんも理系の皆さんも、この記事でプロとしての心構えを学んでください。

当時のわたしはまさに、「何が分からないのか分からない」状態。周囲を飛び交う意味不明な用語にしても、それが一般のビジネス用語なのか、IT用語なのか、社内用語なのかも分からないありさまでした。プログラミングの研修が始まってもそんな状態は続き、用語を1つ調べればその解説に5つは知らない用語が出てくる始末で、時間がかかって仕方ありません。そんなとき、まだ学生だった友人に薦められたのがこの本です。

新人に読んでほしいこの4冊――2006年春版」より


 「新人に読んでほしいこの4冊――2006年春版」は、タイトルどおり新人向けの書評記事です。見事にジャンルが別々の本が集まりました。わたしは新人エンジニア時代の思い出の技術書(?)を推薦しました。ぜひ、ご一読ください。

確かに、聞ける人がいないことでプロジェクトの生産性も落ちますし、千葉さんも不安ですよね。ただ、他人事みたいで恐縮ですが、「自分を伸ばすチャンスのまっただ中にある」という印象を強く持ちました。技術的なアドバイスは差し上げられないと思いますが、仕事で壁に当たったときに気を付けるポイントならいくつかお話できそうです。

新人が『仕事の壁』を乗り越えるポイントは?」より


 最後に紹介するのは、「新人が『仕事の壁』を乗り越えるポイントは?」。登場する新人エンジニアの千葉さんは当時入社6カ月目、あるプロジェクトに常駐していました。皆さんよりほんの少し先輩ですね。

 千葉さんの相談は、仕事で壁に突き当たったときにどうすればいいかについて。記事中では3つのポイントを挙げています。今後、皆さんが現場で迷ったり困ったりしたときのヒントになるはずですよ。

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