連載
» 2007年08月21日 00時00分 公開

システム開発プロジェクトの現場から(6):専門用語で「カッコよく」話すのは簡単だけど (1/2)

開発現場は日々の仕事の場であるとともに、学びの場でもある。先輩エンジニアが過去に直面した困難の数々、そこから学んだスキルや考え方を紹介する。

[新楽清高,アクセンチュア・テクノロジー・ソリューションズ]

まずは自己紹介。マルチなITエンジニアは悩んでいた

 今回からこの連載を執筆することになりましたアクセンチュア・テクノロジー・ソリューションズの新楽清高です。まずは自己紹介がてら、これまでの経歴を簡単に説明したいと思います。

 私は大学卒業後、社員100人ほどの独立系のシステムインテグレータに入社しました。プロジェクトの規模は数人から十数人ぐらい。幸いにもプライムで仕事をしていたため、要件定義、設計、開発、テスト、移行、運用までの工程を数多く経験してきました。場合によってはセールス段階から担当し、時には1人で全工程を行うようなこともありました。

 あるときは、データウェアハウスのプリセールスから導入コンサルタントのようなことを。あるときは、新人教育や社内講習会の講師を。またあるときは、社内システムの運用も行っていました。

 このような感じで、けっこう何でもできるITエンジニアとしてやりがいを持って仕事をしていましたが、ふと自分のキャリアを振り返ったとき、いくつかの疑問・不安を感じたのです。

 まず、「自分の強みは何?」という問いに、うまく返答できませんでした。経験年数が増えるにしたがって管理的な仕事が増え、新しい技術・分野へのチャレンジがしづらくなったとも感じ始めていました。小規模なプロジェクトで全工程を経験し、自分でアーキテクチャを考えたり、開発プロセスを定義したり、テスト計画を立てたりしてはいたものの、「自分のやり方が正しい」という確証が持てないでいました。

 これらの不安と同時に、大規模なプロジェクトで自分が通用するのかどうか試してみたいという思いも膨らんでいきました。

 その思いを実現し、不安を振り払うために、私は2003年11月にアクセンチュア・テクノロジー・ソリューションズに転職しました。アクセンチュアのシステム構築を担うITエンジニア集団です。ここで私は、Javaでの大規模基幹システムの設計・開発・テスト・移行・運用を経験しました。またその中で、アクセンチュアのグローバルで定義されている開発プロセスやプロジェクト運営方法論を学び、オフショア開発も経験しました。現在は、.NETとSAPをWebサービスでつなぐというSOAな経験をしています。

システム開発を楽しくしよう

 突然ですが、この業界で仕事をするうえで大事にしていることってありますか?

 私が大事にしているのは、「楽しく仕事をすること」です。誤解を招かないように補足しますが、「楽しく仕事をすること」の中には、「クライアントに喜んでもらえるように……」とか、「自分自身のスキルを上げたい!」ということも入っていますよ。

 やっぱり仕事するからには楽しくないといけません。ということで、私が10年近くIT業界の現場で働き、その中で楽しく仕事をするために学んだことや苦しんだことなどを皆さんにお伝えし、多少なりとも共感してもらえたらと思います。

 今回は私の担当する初めての回ということもあり、IT業界に身を置くことにした背景と、前職での最初の大仕事(?)で学んだ「楽しく仕事をするために」ということについてお話ししたいと思います。

建築系学科から、IT業界を志望

 私はもともと大学では建築関連(正確にいうと都市計画)の勉強をしていて、コンピュータを使うことがあっても、CADで図面を描くかワープロとして使用するかという程度でした(しかも、ほとんどMacです)。学校の授業でC言語などもありましたが、その授業には一度も出席したことはありませんでした……。

 そんな私がなぜIT業界に就職したのか、疑問に思われるかもしれません。私自身も正直、あまり覚えていないのですが……。おそらく時代の流れを読んでIT業界に可能性を見いだし、志望したのでしょう(大学で勉強をあまりしていなかったからという理由も多分にありますが)。

 就職活動を始めたころは、IT業界だけでなくさまざまな業界を受けました。住宅メーカーやらゲームメーカーやら。そんなお気楽な状態で就職活動を進めていく中でも、不思議となんとなく自分のやりたいことが見えてきました。「ものづくりがしたい」という思いと、「自分で設計して自分で作れる仕事がしたい」という思い。その思いが実現できるのがIT業界なのではないかと。

 そうして就職活動後半はIT業界に絞り、進めることにしました。比較的人数の少なそうな会社、かつプライムで仕事をしているところ、かつプログラムができるところというように、自分のやりたい仕事をイメージしつつ。

 結果、何とか念願のIT企業から内定をもらうことができました。しかも奇跡的に、志望どおりのSE職で。

 こうして、私はITエンジニアとしての第一歩を踏み出しました。

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