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» 2007年09月03日 18時00分 公開

ECMはITを業務に近づけることができるかAnalysis

エンタープライズ・コンテンツ管理」(ECM)という製品ジャンルをご存知だろうか。欧米では確固たる市場が存在し、今後4、5年は年平均十数%の伸びが期待されているようだ。

[三木 泉,@IT]

 エンタープライズ・コンテンツ管理」(ECM)という製品ジャンルをご存知だろうか。欧米では確固たる市場が存在し、今後4、5年は年平均十数%の伸びが期待されているようだ。

 ECMベンダとしてはEMC、IBM、オープンテキストなどがある。EMCの製品は「Documentum」、IBMは「FileNet」。つまり、現在のECM製品は、以前ドキュメント管理製品と呼ばれていたものだ。

 ドキュメント管理製品は、非定型文書のバージョン管理や排他制御とワークフロー管理を組み合わせ、さらに属税検索/全文検索や、ワークフローと連動したアクセス権の制御、情報保管先の選択などの機能を提供するもので、おもに法務や法令順守など、特定の業務プロセスと関連情報を管理する用途で使われてきた。ドキュメント製品ベンダはその後、管理の対象をほとんどあらゆるデータタイプに広げ、多様な業務プロセスと情報のライフサイクル管理を全社的に一元化できるツールに進化させてきている。

「エンタープライズ・コンテンツ管理」という名称は、あたかも社内の各種データを一元的に格納するデータベースのような響きを持つため、例えば「Lotus Notesを進化させたようなものなのか」といった誤解が生じやすい。しかしここでいう「管理」とは、データの格納の意味ではなく、データの扱い方の制御を意味することに注意が必要だ。データを格納するのはLotus Notesや電子メールサーバアプリケーションでもいい。ECMはその背後で情報利用に関する各種サービスを一元的に実行できる。

 ではECM製品を入れると企業にとって何がうれしいのかといえば、1つはワークフロー設計・実行機能の活用による業務プロセスの自動化だ。単なるワークフローシステムとの違いは、関連文書をワークフローに沿って「流して」いくことができる点にある。これと表裏一体の用途として、内部統制が挙げられる。つまり、スキャニングで取り込んだ請求書をはじめとする各種文書と、関連業務プロセスを紐付けて管理・保存しておくことで、内部統制監査における証憑(ひょう)とすることができる。また、さまざまなデータタイプにまたがる横断検索機能を活用することで、ナレッジベースとすることができる。

 ECMが日本で今後、どれだけ普及するかは分からない。しかし、ITが業務のために存在するにもかかわらず、業務プロセスとの関係付けがほとんどなされない(あるいは明確でない)電子情報があまりにも多い現状を改善するという意味では、重要な意義を持つソリューションに違いない。企業内の情報に関する横断検索を実現するエンタープライズサーチでもまだ埋めることのできない、業務と情報の間に欠けたリンクを補うことができるからだ。

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