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» 2007年12月17日 00時00分 公開

あなたの転職活動、デバッグすべし(11):応募書類で、転職活動の運気が変わる

ITエンジニアの世界でも、中途採用を積極的に行う企業が増え、以前に比べて転職が容易になっている。その一方で転職した後に、「転職に失敗した」といって人材紹介会社に駆け込むITエンジニアが急増中だ。失敗しないためにできることは何か。パソナキャリアの人材コンサルタントがそんな疑問に答えよう。

[兒玉恵子,パソナキャリア]

転職活動のスタートは面接からと思っていませんか

 転職活動の最初のステップを面接だと思っていませんか。志望する企業を決めた後、最初のステップとして待っているのは、書類選考です。このハードルを越えない限り、志望する企業の面接官に会うことはできません。

 これまで多くの転職希望者と面談してきましたが、ご自分の経歴をきちんと見直さないで臨まれる方がいらっしゃいます。そのために、書類選考を通過できずに終わる方が何と多いことでしょう。

 そこで今回は、経歴書の書き方を見直したことによって、転職に成功した方の事例をご紹介したいと思います。この事例を転職活動の参考にしていただければと思います。

どうして落ちてしまうのだろう?

 Aさんは、某私立大学を卒業後、大手メーカーの100%子会社の情報システム会社でシステムエンジニアとして活躍され、その後、外資系システムインテグレータ(SIer)にヘッドハンティングされて勤めていました。

 順調なキャリアを歩んでおられたのですが、家族の1人が体調を崩したのをきっかけに会社を退職し、家業のお手伝いをされていました。その後家族の具合も快方に向かい、ご自分の進みたい道に戻れることになり、転職活動を開始して、私どもの元へお越しになられました。すでに数社の人材紹介会社などを回られ、いくつかの求人企業に人材紹介会社経由で申し込まれていました。

 ただし、なかなか書類選考が通過しないというお悩みを持たれていたのです。

読む人の立場に立って書類を作成しよう

 さっそく職務経歴書を拝見したところ、正直、読みたくないと思ってしまうようなものでした。

(1)フォーム自体が見にくい(切れ目がなくどこで起承転結しているのか分からない)

(2)何が得意なのかが明確にまとめられていない

(3)実績の記載方法があいまい

 上記3点の理由から、これは人事部で見られても、同しように感じられてしまうのではないかと思いました。

 ご本人にその点を話し、1つ1つ整理をしました。

 (1)フォームについては、参考になるフォーマットをお見せしながら、上の部分に強みのある技術・業務知識と実績、中ほどの部分に経歴を時間軸で、下の部分に自己PRという順番にまとめていただくようにお話ししました。

 (2)いままでの業務で得意なことを個条書きにしてもらいました。また、過去に採用された提案があるということなので、提案書(当然、あまりに具体的なままだと問題がありますので、その点をマスク処理した)も添付したうえで提出していただきました。これも十分評価になります。

 また、重要な視点として、この書類を見る側に立ってみることを伝えました。

 「あなたが人事担当者だった場合、1日に数多くの書類を見ることになります。どういう点を最初に見ますか?また、どういう書類なら見たいと思いますか?」というお話をAさんにしたところ、翌日新しく書き直された職務経歴書が送られてきました。最初に拝見した書類と比較して格段に見やすく、かつ伝えたいことが簡潔にまとめられていました。

成果が……。そして内定

 それから、2回ほど細かい点を修正していただいたうえで、書類を企業に送りました。10社近くに応募し、3日以内に3社より書類選考を通過した旨の連絡を受けました。その後も、数社から書類選考通過の連絡をいただきました。本人にこの結果をお伝えしたところ、非常にお喜びになりました。

 そして面接です。面接については、過去にご自分が提案された企画書をお持ちいただくようにお願いし、自己PRをしてくださいとアドバイスをさせていただきました。

 今回書類を作成し直した過程で、再度ご自身の業務の棚卸しと自己分析ができたことで、面接でもスムーズにお話できたそうです。その結果、希望されていた企業より内定の通知をいただくことができました。現在は、その企業でプロジェクトマネージャとして活躍されています。

書類の修正で目に見えて変わる選考結果

 このように、転職活動をするに当たっては、書類の作成に力を注ぐか注がないかによって、内定率は変わってくる可能性があります。

職務経歴書を作ること=これまでの業務・実績を再確認し、整理する

 このように、過去をきちんと振り返り、それをうまく書類に表現することは、自身の転職や将来のビジョン、転職の心構えなどをいま一度、見つめ直せる時間になります。

筆者紹介

パソナキャリア

兒玉恵子(こだまけいこ)

大学卒業後、パッケージベンダに入社。そのベンダでグループウェアを中心としたソリューション営業を経験し、その後、パソナキャリアに入社。業界経験による幅広い見地を生かし、主にIT業界経験者の転職をサポートしている。



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