連載
» 2008年01月25日 00時00分 公開

作って学ぶAIRウィジェットの基礎→応用(1):いまさら聞けないAdobe AIR「超」入門 (2/4)

[福田寅成,クラスメソッド株式会社]

AIRウィジェット作成の準備をしよう

 それでは早速、サンプル・ウィジェットを作っていきましょう。

FlexをベースにしたAIR開発

 AIRの開発で重要なポイントに「AIRはFlexで開発することが可能」という点があります。FlexベースでのAIR開発は、従来のFlex開発のノウハウを100%を流用でき、既存Flexアプリケーションをほとんど修正することなくAIR化できるという特徴があります(さきほどのオンラインFlexサンプルのように、その逆も容易です。詳しい方法は後述します)。

 本連載では「Flex(ActionScript&MXML)をベースにしたAIRウィジェット作成の基礎から応用まで」をお届けしていきます(ActionScriptとMXMLについては後述します)。

 まずは、開発環境を整えることにします。HTMLやJavaScriptを用いたAIRウィジェットの作成にはAptanaを使うこともできますが、Flexを用いてAIRを開発する場合は「Adobe Flex Builder 3」(以下、Flex Builder 3)を用意する必要があります。

編集部注Aptanaを使ったAIRアプリの作り方について詳しく知りたい読者は、「AptanaでAjax・AIR・iPhone用ページの開発を行う」の「AIRアプリケーションの作成手順は?」をご覧ください。

参考 「JavaScriptなどで開発する場合は?」

AIR for JavaScript Developers Pocket Guide 邦訳Wiki」はJavaScriptでAIRを開発する際に手助けとなるポケットガイドです。APIは古いもので動かないかもしれませんが、JavaScriptでのAIR開発の流れを知ることはできると思います。筆者も翻訳に参加していました。


 以下、簡単にFlex Builder 3のインストールに関して述べます。

手順【1】Adobe Labsにアクセスしてダウンロード

 Adobe LabsのFlex Builder 3ダウンロードページで最新のFlex Builder 3をダウンロードします。2008年1月の記事執筆時点ではベータ3が最新です。Adobeメンバーシップにユーザー登録しておく必要があります。

編集部注:Flex Builderは、2010年3月の新版から「Flash Builder 4」に名称変更しています。期間限定の無料版をダウンロードして使えます

手順【2】インストーラのウィザードに沿ったインストール

 インストール時の言語を日本語に設定することにより、日本語版Flex Builder 3を利用できます。

AIRプロジェクトを新規作成するには?

 開発環境も整いましたし、それでは実際にAIRウィジェットの作成を始めましょう!

 Flex Builder 3を起動し、アプリケーションを作成する際の基本となる「プロジェクト」を新規作成します。Flex Builder 3を起動して、[メニュー]の[ファイル]→[新規]→[Flexプロジェクト]を選択します。

 今回はプロジェクト名を「SimpleTimer」にし、アプリケーションの種類から「デスクトップアプリケーション」を選択します。

図5 AIRプロジェクトの新規作成 図5 AIRプロジェクトの新規作成

 [終了]ボタンをクリックすると、空のプロジェクトが作成されました。

新規プロジェクト作成で作られたもの

 自動的に作成されたファイルをここで確認しておきます。

名前 種別 概要
bin-debug フォルダ コンパイルされたアプリケーションの構成要素が保存されるフォルダ
libs フォルダ ライブラリを保存しておくフォルダ
src フォルダ アプリケーションのソースコードを保存しておくフォルダ
SimpleTimer.mxml MXMLファイル 作成するアプリケーションのMXMLファイル
SimpleTimer-app.xml XMLファイル アプリケーションの設定ファイル
表2 新規プロジェクト作成で作られたもの

参考 「MXMLファイルとは? MacromediaのXML?」

ここでMXMLファイルというものが出てきました。MXMLとはMacromedia() Flex Markup Languageの略で、タグで記述され、主にアプリケーションの「見た目」(UIユーザーインターフェイス)を担当するファイルです。今回のサンプルではスクリプト(ActionScript)もこのMXMLに書いてしまいます。

MacromediaMacromedia:アドビ・システムズ社に買収された米ソフトウェア会社です。FlashやFlex、DreamweaverFireworksなどを開発していました。それらの製品群はAdobeで引き続き開発が続けられています。)


見た目を作るのは難しい? ソースコードで書くの?

 プロジェクトが新規作成されたので、まずはウィジェットの「見た目」を作っていきます。

手順【1】[デザイン]ビューに切り替える

 プロジェクト新規作成時にはSimpleTimer.mxmlが自動的に開かれており、画面上部の[ソース]タブが選択された状態になっています。ソースコードを表示するこの[ソース]ビューから見た目を表示する[デザイン]ビューにタブを切り替えることにします。

図6 [デザイン]ビューのタブ 図6 [デザイン]ビューのタブ 

手順【2】Flex Builder 3の[デザイン]ビューをちょっと確認

図7 Flex Builder 3の[デザイン]ビュー(画像をクリックすると拡大します) 図7 Flex Builder 3の[デザイン]ビュー(画像をクリックすると拡大します)
  • 画面左上にあるのは[Flexナビゲーター]。プロジェクトの構成要素を一覧できる
  • 画面左下にあるのは[コンポーネント]ビュー。ボタンやテキスト入力などの「コンポーネント」を一覧できる
  • 画面の真ん中にあるのは[デザイン]ビュー。ここにコンポーネントを張り付けて大まかな画面のデザインができる
  • 画面右下にあるのが[Flexプロパティ]ビュー。各コンポーネントの設定(幅や高さ、フォントサイズなど)を変更できる

手順【3】ApplicationControlBarを上の方に張り付ける

 [コンポーネント]ビューの[レイアウト]を開き、「ApplicationControlBar」を中央の[デザイン]ビューにドラッグ&ドロップします。この際に、コンポーネントの整列を手助けしてくれる青色のガイドが表示されます。画面の左上端にぴったりくっつくように張り付けます。

 「ApplicationControlBar」とは、アプリケーションをコントロールするボタンやメニューなどを配置するレイアウト担当のコンポーネントです。

図8 ApplicationControlBarの張り付け 図8 ApplicationControlBarの張り付け

手順【4】[プロパティ]ビューでApplicationControlBarのドックをtrueに設定

 これにより、ApplicationControlBarが画面上部に「ドッキング」するようになります。

図9 ApplicationControlBarのドッキング(画像をクリックすると拡大します) 図9 ApplicationControlBarのドッキング(画像をクリックすると拡大します)

手順【5】ボタンを3個ApplicationControlBarに張り付ける

 [コンポーネント]ビューでボタンを選択し、ApplicationControlBarに3個張り付けましょう。ボタンを選択して、ApplicationControlBarにマウスを近づけると、レイアウトをガイドする青色の線とは違う色の線が表示され、確実に配置できるようになっています。

 ここで利用したボタン・コンポーネントはポピュラーなコンポーネントの1つですね。いわゆる「ボタン」です。

 次に、張り付けた3個のボタンのプロパティを以下のように設定してください。

1個目 2個目 3個目
ID startButton stopButton resetButton
ラベル スタート ストップ リセット
100 100 100
表3 ボタンのプロパティ

 ここでの「ID」とは、各コントロールを識別するIDです。このIDを指定することにより、プログラムと各コンポーネントをやりとりできます。幅はボタンの見た目を統一するために同じ数値を指定します(スタイルシートによる幅の指定は次回以降の連載を参照してください)。

 プロパティを設定すると、以下のような画面イメージになります。

図10 ボタンを配置した結果 図10 ボタンを配置した結果

 上記でプロパティを設定していたプロパティはそれぞれ図11の場所にあります。

手順【6】適当な場所にラベルを張り付ける

図11 [Flexプロパティ]ビュー 図11 [Flexプロパティ]ビュー

 ラベルとは、シンプルな文字列コンポーネントです。ApplicationControlBarの下の適当な場所に1個張り付けます。プロパティは以下のように設定します。

ID timeLabel
文字列 00:00
フォントサイズ 100
表4 ラベルのプロパティ

 [プロパティ]ビューのフォントサイズの指定場所が分かりにくいかもしれませんが、図12の場所にあります。フォントサイズコンボボックスのゲージでは100は設定できないので、キーボードで入力して設定してください。

図12 ラベルのプロパティ 図12 ラベルのプロパティ

 この段階で下記のような画面イメージになります。

図13 ボタンとラベルを張り付けた結果 図13 ボタンとラベルを張り付けた結果

 ここまでのソースコードをいったん保存しておきましょう。Ctrl+Sキーまたは、[メニュー]の[ファイル]→[保管]で保存します。

 次ページでは、ソースコードを修正してみましょう。さらに、AIRウィジェットにイベントやタイマーを付ける方法についても解説します。

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