連載
» 2008年01月30日 00時00分 公開

あなたの職務経歴書鑑定します!(1):32歳Javaプログラマ、職務経歴書改良で給与アップ (1/2)

転職における最初の「難関」が職務経歴書の作成だ。その仕上がりが転職の成功・失敗を分けるといっても過言ではない。この連載では毎回1つの職務経歴書を取り上げ、キャリアコンサルタントのアドバイスに従って改良する。優れた職務経歴書で、自分を企業に売り込め!

[藤田孝弘,アデコ]

職務経歴書は、自分自身の「広告」だ

 現在、IT業界では、空前の売り手市場が続いています。ITエンジニアの皆さんの中には、このチャンスに転職活動をし、ワンランク上の仕事に就きたいと考えている人も少なくないと思います。

 そこで重要になるのが、レジュメ(応募書類)の作成です。

 レジュメに履歴書と職務経歴書があるのはご存じかと思います。履歴書は比較的、内容が定型であるのに対し、職務経歴書は工夫の余地があります。つまり、工夫次第でいくらでもアピール力を高めることができるのです。書類選考の合否を決定する職務経歴書の作成作業は、転職活動における最初の「難関」といえるでしょう。

 職務経歴書は、自分を企業へ売り込むためのプレゼンテーションツールであり、広告のようなものであると考えてください。広告なのですから、職歴をただ羅列するだけでは不十分です。業界・職種によって表現方法や内容を変えた方がよい場合もあります。

 この連載では「あなたの職務経歴書鑑定します」として、職務経歴書の改良によって転職に成功した事例を紹介します。それを基に、良い職務経歴書、企業の目に留まる職務経歴書とはどのようなものなのかを具体的に解説していきます。

 連載第1回である今回は、経験年数の少ないあるITエンジニアが、それをカバーする職務経歴書を作成してステップアップした事例をお話しします。

書類選考で落ちまくる川村さん。なぜ?

 現在から2年と少し前の2005年秋、ようやく景気が上昇に向かおうとしている時期。32歳のシステムエンジニア、川村さん(仮名)が弊社を訪れました。

 川村さんが転職を志し、活動を開始してから1カ月以上が経過していました。しかし、どの企業でも書類選考を通過できません。「この状況を何とかしたい」ということで相談に来たのです。まずは話を聞いてみることにしました。

 川村さんは大学中退後、4年間コンビニエンスストアでアルバイトをしていました。まじめで謙虚な人柄が評価され、アルバイトでありながら店長を任せられるほど。その後友人の勧めで、以前から興味があったソフトウェア会社の面接を受けることになりました。まったくの未経験にもかかわらず、持ち前の明るさと人柄の良さで内定を得ることができ、正社員として入社。まずは未経験でもできる仕事ということで、汎用機の運用オペレータとしてユーザー企業への常駐勤務を開始し、そのまま5年が経過しました。

 Javaを使った開発案件に携わるようになったのは、転職を考える1年前のことでした。社内では比較的新しい取り組みで、Javaの経験者も少なかったため、川村さんは独学でJavaを習得して会社にアピール。その結果、Javaの実装に関するプロジェクトは、彼を中心にアサインされるようになったそうです。

 川村さんの会社では、ユーザー企業に常駐して行う業務がメインで、メンバーはそれぞれ異なるユーザー先に常駐しています。このころ川村さんは、グループリーダーとして各ユーザーに派遣されているメンバー7人の管理も任されていました。

 そんな川村さんが転職を考えた主な要因は、入社して6年にもなるのに、給与がほとんど上がっていないことでした。残業代を差し引くと、入社当時とほぼ同じ額。意を決して社長に給与交渉をしましたが、会社全体の利益が出ていないという理由で聞き入れてもらえません。状況が好転するまで我慢してくれといわれたそうです。

 32歳の川村さんは将来のことを考えて転職を強く意識するようになり、ついに転職活動に踏み切りました。習得したJavaを武器にキャリアアップを図ろうと考えたのです。規模も業界もさまざま、Javaでの開発ができる会社であれば、手当たり次第に書類を提出しました。

 しかし、企業からの反応は非常に悪く、重なる不採用連絡に頭を悩ませていたのでした。

確改良前:アピールポイントが不明確

 話を聞いた私は、これまでの失敗を克服するためには、「応募企業の見直し」と「職務経歴書の見直し」が必須であると感じました。

 川村さんの経験に合致する企業を抽出しましたが、該当企業はインターネットビジネスの運営会社A社とインターネットシステムの構築会社B社、インターネット関連のパッケージベンダC社の3社のみでした。

 人柄が良くコミュニケーション能力も高く、自主的にJavaを学んでプロジェクトに立候補するなどスキルアップにも意欲的な川村さんですが、スタートが遅かった点は否めません。スキルが合致していても、32歳のプログラマを採用するだろう企業はおのずと限定されます。可能性のある会社数が少ない中、それぞれに職務経歴書でどれだけ強くアピールできるかが重要なのです。

 図1は、川村さんがそれまで企業に提出していた職務経歴書です。就職してから現在に至るまでの経緯が、時系列に克明に書かれていますが、単調で読みづらく、アピールポイントが明確に表現できていない点が目に付きます。

図1 改良前の川村さんの職務経歴書 図1 改良前の川村さんの職務経歴書

(Wordファイルのサンプル

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