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» 2008年02月06日 00時00分 公開

CoolなEclipseプラグイン(24):これはすごい!?コード品質のカイゼン化プラグイン2種 (1/3)

[岡本隆史,@IT]

 ソフトウェアの品質と保守性を向上させるために、テストケースの作成は重要です。しかしながら、時間がない、面倒だなどの理由によりユニット(単体)テストが省略されることはしばしばあります。

 また、ソフトウェアの修正や仕様変更を考慮すると、保守性の高い(分かりやすい/読みやすい)コードにする必要があります。

 本稿では、ソースコードからJUnitをベースとしたたテストケースを自動的に生成する「JUnit Factory」とコードの保守性の指標であるCRAP(Change Risk Anti Pattern)を計測する「Crap4j」をご紹介します。

図1 JUnit Factoryのページ 図1 JUnit Factoryのページ
図2 Crap4jのページ 図2 Crap4jのページ

テストケースを自動生成するJUnit Factoryとは?

 JUnit Factoryはソースコードからテストケースを自動生成し、しかも生成されたテストケースはモックオブジェクトprivateフィールドのアクセッサなどが駆使され、高いカバレッジ(テストケースの網羅度)をカバーするというまさに夢のようなテストコード生成サービスです。

 JUnit Factoryを利用するためのEclipseプラグインが提供されており、Eclipse上から簡単にテストケースを生成できます。

 JUnit Factoryは次のような特徴を持ちます。

特徴【1】テストケース生成をサービスとして提供

 JUnit Factoryはテストケース生成サービスとして、JUnit Factoryのサーバ上で提供されています。各開発者の端末上でテストケースを生成しないので、テストケース生成中はマシンリソースを消費してほかの作業ができなくなるということはありません。テストケースを生成している間、別の作業ができます。

図3 JUnit Factoryの概念図 図3 JUnit Factoryの概念図

特徴【2】サービスは無料で提供

 テストケースを生成するサービスは、JUnit Factory上のWebページで公開されており、無料で利用できます。

特徴【3】Eclipseプラグインを提供

 JUnit Factoryは、Web上でも利用できますが、Eclipseプラグインも提供されており、プラグインを使って簡単にテストケース生成サービスを利用できます。

 また、プラグインでは、テストの実行、カバレッジ測定ダッシュボードの生成などもサポートされます。

特徴【4】JUnitをベースとしたテストケースを生成

 テスティングフレームワークのJUnitをベースとしたテストケースを生成するので、開発者になじみやすいです。

 また、専用のAntタスクが無償で提供されており、Antでテストを実行することもできます。

編集部注Antについて詳しく知りたい読者は、連載「現場に生かす Jakarta Project」第2回「AntでJavaのビルドを簡単にする」をご参照ください。

JUnit Factoryを使ったテストケースの生成例

 さて、ここまで読んで「テストケースの自動生成なんて、使えないんじゃないか?」と疑問を持つ方もいらっしゃるでしょう。簡単にJUnit Factoryによるテストケースの生成の例を見てみましょう。

 例えば、次のようなCheckNumberというクラスに2けたの数字かどうかチェックするlen2というメソッドがあったとします。

public class CheckNumber {
……(略)……
    public boolean len2(int n){
        if(n>=10&&n<=99){
            return true;
        } else {
            return false;
        }
    }
……(略)……
} 

 このlen2メソッドに対して、JUnit Factoryは次のようなテストケースを生成します。

public void testLen2() throws Throwable {
    boolean result = new CheckNumber().len2(9);
    assertFalse("result", result);
}
public void testLen21() throws Throwable {
    boolean result = new CheckNumber().len2(100);
    assertFalse("result", result);
}
public void testLen22() throws Throwable {
    boolean result = new CheckNumber().len2(11);
    assertTrue("result", result);
}
public void testLen23() throws Throwable {
    boolean result = new CheckNumber().len2(98);
    assertTrue("result", result);
}
public void testLen24() throws Throwable {
    boolean result = new CheckNumber().len2(99);
    assertTrue("result", result);
}
public void testLen25() throws Throwable {
    boolean result = new CheckNumber().len2(10);
    assertTrue("result", result);
} 

 生成されたテストコードを見ると、境界値付近(10、99)で値を変えたテストケースを生成し、その返却値をチェックしているのが分かると思います。

 上記の例では、引数にプリミティブ型を利用していますが、独自クラスを利用した場合は、インスタンスやモックを利用したコードが生成されます。簡単な例の場合、このように非常に分かりやすいテストケースを生成できます。

JUnit Factoryのセットアップ

 下記のアップデートサイトからプラグインをダウンロード、インストールします。

  • http://www.junitfactory.com/update/

 インストールするフィーチャーは、図4のとおりです。

図4 インストールするフィーチャーの選択 図4 インストールするフィーチャーの選択

 JUnit Factoryは、Eclipseから利用する場合、JUnit Factory Serverのアカウントが必要です。JUnit Factoryのインストールが完了したら、アカウントを作成しましょう。アカウントは下記のURLから作成します。

  • http://www.junitfactory.com/account/create/

 メールアドレス、名、姓、パスワードを入力し、「legal stuffを確認」にチェックを入れて、アカウント作成ボタンを押すとアカウントが作成されます。

図5 アカウント作成 図5 アカウント作成

 インストールが完了したら、Eclipse[メニュー]の[設定]→[Agitar]→[サーバー]でサーバに接続する設定を行います(図6)。

図6 JUnit Factoryのサーバ設定 図6 JUnit Factoryのサーバ設定

 JUnit Factoryで提供しているサービスを利用する場合は、次のように設定します。

項目名 パラメータ
[ホスト] 「www.junitfactory.com」
[ポート] 「80」
[Email address] アカウント作成で入力したメールアドレス
[パスワード] アカウント作成で入力したパスワード
表1 JUnit Factoryのサーバ設定のパラメータ

 HTTPプロキシは必要に応じて設定してください。以上で準備は完了です。

 次のページからJUnit Factoryを使ったテストケースの自動生成の仕方を具体的に解説します。

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