計画“命”のタイム・マネジメントメンバーに贈るプロマネ基礎講座(4)(3/3 ページ)

» 2008年02月28日 00時00分 公開
[田中亮グローバル ナレッジ ネットワーク]
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 最後に、今回の範囲のおさらいで、演習問題を解いて終わりましょう。

演習問題

問題1

 クリティカル・パスの説明として誤っているものは次のうち、どれでしょうか?

a. クリティカル・パスの総所要期間 (所要期間の合計) は、プロジェクトを最短で終了できる日数を表す

b. プロジェクト全体の期間を短縮するときには、クリティカル・パス上のアクティビティの所要期間を短縮するとよい

c. クリティカル・パスは複数存在することがある

d. クリティカル・パスを求めた後は、クリティカル・パス上のアクティビティのみを監視しておけば、プロジェクトが遅れることはない


正解

 d


解説

 クリティカル・パスは、「そのアクティビティの作業が遅れると、プロジェクト全体のスケジュールが遅れてしまうアクティビティの連なり」と説明しましたが、別の見方をすれば、選択肢aのように、最短でプロジェクトを終了するのに必要な日数を表現するものと見ることができます。

 先の図1-2であれば、プロジェクトは最短10日で終了することを意味します。このパス中のアクティビティの日数を短縮すれば、プロジェクト期間そのものを短縮することができます(選択肢b)。また、場合によっては複数のクリティカル・パスを持つプロジェクトもありますし(選択肢c)、プロジェクトの進ちょく状況によっては途中でクリティカル・パスが変化する可能性もあります。従って、選択肢dのように断言することはできません。

問題2

 次のネットワーク図(図2-1)で、クリティカル・パスの所要期間は全体で何日になりますか?

 クリティカルパスの計算 (演習2) 図2-1 クリティカルパスの計算 (演習問題2)

a. 10日

b. 11日

c. 12日

d. 13日


正解

 b


解説

 図1-2のAのアクティビティは、前の作業がないので、最早開始日は0、最早終了日は4(所要期間が4なので、早くて4日後)になります。それを踏まえると、Aの次のCのアクティビティは、Aが終わらないと作業が開始できないので、最早開始日は4、最早終了日は9となります。後はこの計算の繰り返しです。

 「最早**」が全部埋まったら、全体の期間が求まるのでそれをベースに「最遅**」を求めていきます。

 よって、図2-2のように、クリティカル・パスは、開始-B-E-終了となり、所要期間は11日となります。

 クリティカルパスの計算 (演習2) 図2-1 クリティカルパスの計算 (演習問題2)問題2)

筆者プロフィール

田中亮

グローバル ナレッジ ネットワーク

プロダクトマネージャ兼講師。保有資格は、米国PMI認定PMP、OCP:ORACLE MASTER GOLD。SEとして生産管理システムの開発を経て、グローバルナレッジへ転職。Oracle認定研修やデータベース関連コースの講師を担当後、PMPを取得。現在は、PM/SWEグループ プロダクトマネージャを担当する傍ら、講師としてプロジェクトマネージメントの研修やOracleの研修も実施している。いま関心のあることは、2人の息子の子育てと、ウイスキーを楽しむこと。



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