データ同士の通せんぼ――コリジョンてなぁに?ネットワークの基礎を学習する CCNA対策講座(5)(2/2 ページ)

» 2008年03月13日 17時57分 公開
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正解

 b、d

解説

 ルータ、PC、ブリッジのいずれかと、スイッチ、ハブのいずれかを接続する場合はストレートケーブルを使用します。

 一方、ルータ同士やスイッチ同士を接続する場合は、クロスケーブルを使用します。図のように同じグループ内ではクロスケーブル、異なるグループ内ではストレートケーブルを使用すると考えましょう。

コリジョンドメイン

 コリジョン(データの衝突)が発生する範囲は、「コリジョンドメイン」と呼ばれます。ハブを使用したスター型トポロジでは、全体が1つのコリジョンドメインになります。同じコリジョンドメインに存在するコンピュータやネットワークデバイスは、データの送信や受信のたびにほかのコンピュータから送信されたデータと衝突する可能性があります。大規模なネットワークになるとコリジョンドメインの規模も大きくなり、データの再送や遅延が頻繁に発生する可能性があります。

図2 1つのコリジョンドメイン(上)、異なるコリジョンドメイン(下) 図2 1つのコリジョンドメイン(上)、異なるコリジョンドメイン(下)

 コリジョンドメインを分割することができるのが、スイッチ(またはブリッジ)を使用したスター型トポロジです。ハブの代わりにスイッチを使用することでコリジョンドメインが分割されます。

ブロードキャストドメイン

 ネットワーク内で、不特定多数の相手に向かってデータを送信することを「ブロードキャスト」と呼びます。TCP/IPでは、ネットワークに接続して設定情報を持っているサーバをARP(Address Resolution Protocol)などのプロトコルを使用して検出し、自動的に設定情報を取得する場合などに使用します(ARPとは、IPアドレスに対応するMACアドレスを求めるのに使うプロトコルです)。単一のアドレスを指定して特定の相手にデータを送信することを「ユニキャスト」と呼び、複数の相手を指定してデータを送信することを「マルチキャスト」と呼びます。

 すべてのコンピュータに、フレーム(データリンク層のPDU:Protocol Data Unit)をブロードキャストする範囲を「ブロードキャストドメイン」と呼びます。ARPの要求が届く範囲、機器同士が直接通信できる範囲ともいい換えられます。送信元のPCはARP要求をブロードキャストすることで、受信先PCのあて先MACアドレスを求めます。このブロードキャストの送信される範囲が、ブロードキャストドメインです。

 ブロードキャストのフレームは、同じブロードキャストドメインに属するコンピュータやネットワークデバイスがすべての処理をしなくてはならないため、ブロードキャストドメインを分割する必要性が出てきます。デフォルトではスイッチはブロードキャストドメインを分割することができません。ブロードキャストドメインは、ルータを使用することで分割することができます。また、ルータの場合はコリジョンドメインも分割されます。

図3 ブロードキャストドメインとコリジョンドメイン 図3 ブロードキャストドメインとコリジョンドメイン

確認問題3

問題

 図の環境において、PC-Aから送信したブロードキャストを受信するPCをすべて含むものを選択しなさい。

a.PC-B、PC-C、PC-D

b.PC-B

c.PC-C、PC-D

d.なし

正解

 b

解説

 スイッチを使用したスター型トポロジでは、コリジョンドメインを分割することができますが、ブロードキャストドメインは分割されません。そのため、PC-AとPC-Bは同じブロードキャストドメインに含まれます。一方、ルータを介した場合、ブロードキャストドメインも分割されるため、PC-CとPC-Dは、PC-Aとは異なるブロードキャストドメインになります。

 図の場合は、6つのコリジョンドメインと2つのブロードキャストドメインが存在することになります。


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