連載
» 2008年04月14日 00時00分 公開

ネットワークの基礎を学習する CCNA対策講座(6):TCP/IPを制するものはネットワークを制す (1/2)

本連載では、シスコシステムズ(以下シスコ)が提供するシスコ技術者認定(Cisco Career Certification)から、ネットワーク技術者を認定する資格、CCNA(Cisco Certified Network Associate)を解説します。CCNAは、2007年12月に改訂されたばかりで、2008年1月現在、新試験の情報がまだ少ない状況です。よって本連載は、改訂前の試験(640-801J)で解説をしますが、新試験の解説が可能になり次第、新試験(640-802J)も含めて解説していきます。

[ゴールデンフォレスト株式会社,@IT]

 今回の範囲、TCP/IPは、インターネットをはじめすべてのネットワークの基本で重要なところです。TCP/IPを簡単にいうと、ネットワーク通信における決まり事です。TCP/IPがイメージしにくいという人は、「いまネットワークで求められる技術とは」を先に読んでみてください。“郵便”を例に分かりやすく解説しています。

 今回の記事では、TCP/IP 通信の仕組みやプロトコルを紹介します。TCP/IP モデルはOSI参照モデルに当てはめることができます。OSI参照モデルは第2回「ネットワークのABC、OSI参照モデルとプロトコル」で学習しました。TCP/IPモデルをOSI参照モデルと照らし合わせながら見ていくと見当が付きやすく理解も早いと思います。

TCP/IPモデル

 現在のLANやWANなどのネットワークで基本として使用されるネットワークプロトコルがTCP/IPとUDPです。OSI参照モデルでは、TCPはトランスポート層、IPはネットワーク層のプロトコルでした。現在、TCP/IPはさまざまなプロトコルと連携して動作することから、さまざまなプロトコルを総称して「TCP/IPプロトコル群」と呼び、OSI参照モデル同様「TCP/IPモデル」と呼ばれる階層モデルで表現されます。

第7層 アプリケーション層
第6層 プレゼンテーション層
第5層 セッション層
第4層 トランスポート層
第3層 ネットワーク層
第2層 データリンク層
第1層 物理層
OSI参照モデル

第4層 アプリケーション層
第3層 トランスポート層
第2層 インターネット層
第1層 インターフェイス層
第0層 ハードウェア層
TCP/IPモデル


 TCP/IPモデルは、第0層を第1層とした5層構造とされる場合もありますが、第0層はハードウェア(各種ケーブルなど)のため、TCP/IPモデルに含めないことの方が多いです。

 第1層の「インターフェイス層」は、OSI参照モデルの第2層「データリンク層」に相当し、Ethernetなどが該当します。第2層は、OSI参照モデルの第3層「ネットワーク層」に相当し、「インターネット層」と呼ばれます。第3層はOSI参照モデルの第4層と同じ「トランスポート層」です。そして、OSI参照モデルの第5〜7層が、第4層の「アプリケーション層」で統合されているのが特徴的です。

 以下の表は、TCP/IPモデルに対応するTCP/IPプロトコル群です。

第2層:インターネット層 IP、ICMP、ARP、RARP
第3層:トランスポート層 TCP、UDP
第4層:アプリケーション層 HTTP、FTP、TELNET、SMTP、DNS、DHCPなど

確認問題1

問題

 TCP/IPモデルのアプリケーション層に含まれないプロトコルを選択しなさい。

a. HTTP

b. FTP

c. ICMP

d. SMTPe. DNS

正解

 c

解説

 TCP/IPモデルのアプリケーション層には、下位層のプロトコルを利用するアプリケーションプロトコルが含まれます。不正解となるICMP(Internet Control Message Protocol)は、IPのエラーメッセージや制御メッセージを転送するプロトコルで、TCP/IPモデルのインターネット層に含まれます。

TCPとUDP

 TCP/IPモデルのアプリケーション層の各種プロトコルが、トランスポート層でTCP(Transmission Control Protocol)UDP(User Datagram Protocol)のどちらを使用するかは信頼性の保証が必要かどうかで決定されています。TCPは信頼性のあるプロトコルでUDPは信頼性のないプロトコルです。TCPは「コネクション型」と呼ばれ、後述するデータの送信順序や損失時の再送制御などを行います。そのため、信頼性のあるプロトコルとなっています。一方、UDPは「コネクションレス型」と呼ばれ、転送途中にデータを損失しても破棄するだけです。UDPの利点は軽さです。データの損失よりもデータの遅延が発生しないことが重要視されるストリーミング配信などではUDPが使用されます。

       1|2 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

RSSについて

アイティメディアIDについて

メールマガジン登録

@ITのメールマガジンは、 もちろん、すべて無料です。ぜひメールマガジンをご購読ください。