連載
» 2008年05月20日 00時00分 公開

一気に分かるSQL Server 2008 新機能(1):“ざっと見”で理解する2008導入のメリット (1/3)

2008年2月19日にSQL Server 2008 の評価版であるCTP2月版がダウンロード可能となりました※1。今回のCTP2月版は遂に日本語対応がなされ、いよいよ市場リリースが近いことを予感させます。本連載では今回はSQL Server 2008の概要をご紹介し、第2回、第3回にてデータベースエンジンやビジネスインテリジェンス(BI)を実現するコンポーネントであるAnalysis ServicesやReporting Servicesの新機能を取り上げる予定です。※1 CTP = Community Technology Preview

[内ヶ島暢之,ユニアデックス株式会社]

SQL Server 2008は第3世代のデータベースサーバ

 現在SQL Serverには3つの世代が存在します。

 第1世代に当たるSQL Server 6.0および6.5はSybase SQL Server 4.2をベースとし、マイクロソフトが独自機能を加えた製品です。第2世代ではSQL Server 7.0においてリレーショナルエンジンの再設計とETL、OLAP機能の追加を行い、SQL Server 2000においてSQL Server 7.0をベースに64bit対応、データマイニング機能の追加などの機能強化を行っています。

 第3世代に相当するSQL Server 2005では“Your Data, Any Place, Any Time”をコンセプトに、可用性向上、セキュリティ強化が行われました。

 SQL Server 2008はSQL Server 2005をベースとした機能追加、改善が行われているため、この第3世代に属しているといえます(図1)。

図1 SQL Serverの変遷 図1 SQL Serverの変遷

SQL Server 2008の特徴(1):2005ベースの改良

 SQL Server 2008には、大別すると以下の5つの特徴があります。本セクションでは1について述べます。

 次のセクションで2から5について記述します。

  1. さまざまな実績のあるSQL Server 2005をベースに開発
  2. コンプライアンスソリューションの実装
  3. サーバ統合シナリオへの対応
  4. 大規模データウェアハウスへの対応
  5. ビジネスインテリジェンス基盤の強化

 SQL Server 2008はミッションクリティカル領域やビジネスインテリジェンス領域でさまざまな実績を持つSQL Server 2005をベースに開発が行われています。SQL Server 2008では開発プロセスが変更になっています(図2)。

 以前はソースコード全体に手を加えていましたが、SQL Server 2008では機能ごとに開発チームが発足し、開発・テスト実施後、メインラインと呼ばれるコードに機能が追加されていきます。

 この開発プロセスにのっとることで、メインラインでは高い品質が保たれます。CTPリリースを利用するユーザーにとって十分にテストされた新機能のみを評価できることは、致命的なエラーが少ないため、大きなメリットとなります。

fig2 図2 SQL Server 2008の開発プロセス
※2  RTM = Release To Manufacturing

SQL Server 2008の特徴(2〜5):新機能と機能改善

 ここでSQL Server 2008の主な新機能と改善機能の一覧を表1に示します。

カテゴリ 新機能 概要 分類
コンプライアンスソリューションの実装 ポリシーベース管理 ポリシー定義に基づく設定を管理する機能 新機能
全操作監査 すべての操作を監査し、その報告を行う機能 新機能
透過的データ暗号化 データベース単位でデータを暗号化する機能 新機能
データへの変更追跡 表の値の変更履歴を取得する機能 新機能
サーバ統合シナリオへの対応 リソースガバナー リソース消費量の制限、管理を行う機能 新機能
データベースミラーリングのパフォーマンス向上 ログ転送の仕組みを変更することで実現したパフォーマンスの向上 機能改善
大規模データウェアハウスへの対応 データ圧縮 データページレベル、行レベルでデータを圧縮する機能 機能改善
バックアップ圧縮 バックアップファイルを圧縮する機能 新機能
パーティションへのクエリ処理能力向上 パーティションの境界をまたいだクエリの並列処理が可能になることで実現した効率向上 機能改善
最適化されたビットマップフィルタ スタースキーマに対するパフォーマンス向上 機能改善
ビジネスインテリジェンス基盤の強化 Reporting Services開発ツールの充実 Officeライクなレポート開発ツールの実装 新機能
レポートの表現能力向上 レポート表示に細かい表現、見やすい表現を実装 機能改善
Analysis Servicesの管理機能向上 ウィザードによる管理機能の向上 機能改善
共通機能 インテリセンス機能 Visual Studioで実装されている文法チェック機能 新機能
merge 指令 データ状況に応じてINSERT/DELETE/UPDATEを実行する指令 新機能
FileStream 非リレーショナルデータを格納するデータ構造 新機能
Spatialデータ型 空間データを取り扱うデータ型 新機能
hierarchyidデータ型 階層構造を持つ表を作成するときに利用するデータ型 新機能
表1 SQL Server 2008の新機能と機能改善の一覧

 ポイントとなる機能については次セクションで補足を行います。第2回、第3回ではさらに機能を絞り、詳細をご紹介したいと思います。

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