連載
» 2008年05月28日 00時00分 公開

ネットワークの基礎を学習する CCNA対策講座(9):ネットワーク部とホスト部の境界、クラスフルとクラスレス (1/2)

本連載では、シスコシステムズ(以下シスコ)が提供するシスコ技術者認定(Cisco Career Certification)から、ネットワーク技術者を認定する資格、CCNA(Cisco Certified Network Associate)を解説します。CCNAは、2007年12月に改訂されたばかりで、2008年1月現在、新試験の情報がまだ少ない状況です。よって本連載は、改訂前の試験(640-801J)で解説をしますが、新試験の解説が可能になり次第、新試験(640-802J)も含めて解説していきます。

[ゴールデンフォレスト株式会社,@IT]

 前回の「サブネットマスクの計算をマスターする」では、2進数と10進数の相互変換やサブネットマスクの計算を学習しました。それを踏まえ今回は、クラス単位でIPアドレスを割り当てるクラスフルと、ホスト部のビットの一部をネットワーク部にするクラスレスについて習得しましょう。

クラスフル

 ネットワーク部とホスト部の境界をオクテットごとに分解したものを「クラスフル」と呼び、クラスA〜Cが用意されています。どのクラスに該当するかは、第1オクテットの先頭のビットパターンで表現します。

 
第1オクテット
第2オクテット
第3オクテット
第4オクテット
クラスA
0
       
 
 
 
クラスB
1
0
     
 
 
 
クラスC
1
1
0
   
 
 
 
クラスD
1
1
1
0
 
 
 
 
 
ネットワーク部
ホスト部
図1 クラスフル

 クラスAは、先頭の1ビットを「0」、クラスBは、先頭2ビットを「10」、クラスCは先頭3ビットを「110」にセットします。第1オクテットの8けたのビットを10進数の値で表現するために「128、64、32、16、8、4、2、1」という数字に対応させてみると、クラスAは0〜127までの値(64+32+16+8+4+2+1=127)、クラスBは128〜191(128+32+16+8+4+2+1=191)、クラスCは192〜223(128+64+16+8+4+2+1=223)が該当します。ただし、クラスAの範囲である「0.0.0.0」と「127.0.0.0」は使用されません。「0.0.0.0」は、「すべてのネットワーク」を表す特別なアドレスとされています。特に「127.0.0.1」は、「ループバックアドレス」と呼ばれ、各コンピュータが最初から保持しているIPアドレスです。コンピュータでTCP/IPが正しく動作するかどうかを検証するときなどに使用されます。

 結果として、各クラスのネットワークアドレス範囲とホスト数は次のようになります。

クラス ネットワーク
アドレス範囲
ネットワーク数 ホスト数 ネットマスク
A 1.0.0.0
〜126.0.0.0
126個 16777214(1677216−2) 255.0.0.0
B 128.0.0.0
〜191.255.0.0
16384個 65534(65536−2) 255.255.0.0
C 192.0.0.0
〜223.255.255.0
2097152個 254(256−2) 255.255.255.0
D 224.0.0.0
〜239.0.0.0
マルチキャスト用に予約されたアドレス

 クラスDに定義された「マルチキャスト」とは、1つの送信元から特定のグループをあて先とした送信方式で使用されるアドレスです。1つの送信元から1つのあて先に送信するのが「ユニキャスト」、すべてのあて先に一斉に送信するのが「ブロードキャスト」です。

 各クラスで扱えるホスト数が「−2」とされているのには理由があります。ホスト部のビットをすべて「0」にしたアドレスは「ネットワークアドレス」として、そのホストが所属するネットワークを識別するために使用されます。すべて「1」にしたアドレスは「ブロードキャストアドレス」として使用されます。

 表現できるホスト数には限界があるため、世界中のコンピュータすべてに異なるIPアドレスを割り当てることができません。そのため、通常は、社内などのローカルLANだけで使用される「プライベートアドレス」という範囲でIPアドレスを割り当て、インターネットなどの外部に接続するときは別のグローバルIPアドレスに変換するなどの手法が取られます。プライベートアドレスは、IETF(Internet Engineering Task Force)で定義され、インターネットでは使用できないアドレスとして、次のクラスA〜Cを使用します。

クラス プライベートアドレス範囲 サブネットマス
クラスA 10.0.0.0〜10.255.255.255 255.0.0.0
クラスB 172.16.0.0〜172.31.255.255 255.255.0.0
クラスC 192.168.0.0〜192.168.255.255 255.255.255.0

確認問題1

問題

 クラスBで使用可能なホスト数を選択しなさい。

a.256

b.254

c.65536

d.65534

正解

 d

解説

 クラスBは、第3オクテットと第4オクテットがホスト部になります。16ビットで表現できる値は65536個ですが、ホスト部をすべて「0」にしたアドレスと、すべて「1」にしたアドレスは、ネットワークアドレスとブロードキャストアドレスになるため、ホストに割り当てることはできません。従って、選択肢dの65534個が正解です。選択肢bは、クラスCで使用できるホスト数です。クラスCは第4オクテットのみがホスト部となり、256−2=254個のホスト数を扱うことができます。

確認問題2

問題

 ホストに割り当てることのできるプライベートアドレスに該当するIPアドレスを3つ選択しなさい。

a.192.167.0.3/24

b.172.18.10.25/255.255.0.0

c.172.31.0.0/16

d.10.192.12.5/255.0.0.0

e.192.168.20.3/255.255.255.0

正解

 b、d、e

解説

 プライベートアドレスの範囲は、クラスAが「10.0.0.0〜10.255.255.255」、クラスBが「172.16.0.0〜172.31.255.255」、クラスCが「192.168.0.0〜192.168.255.255」になります。それぞれのホスト部がすべて「0」と「1」のアドレスは、ネットワークアドレスとブロードキャストアドレスになるため、ホストに割り当てることはできないアドレスです。選択肢aは、第2オクテットがプライベートクラスの範囲外になっているため誤りです。選択肢cは、ホスト部がすべて0のため、ホストに割り当てることのできないアドレスになります。

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