連載
» 2008年05月29日 00時00分 公開

メンバーに贈るプロマネ基礎講座(7):PMの人間力が試される、「人的資源マネジメント」 (1/3)

本連載は、これからプロジェクトマネージャへの転身を考えている方、現在PMBOKベースでマネジメントされているプロジェクトに参加しているメンバーの方などを対象にしています。『プロジェクトマネジメント知識体系ガイド第3版(日本語版)』(以下、PMBOKガイド)の解説を行いながら、プロジェクトマネジメントの基本を解説していきます。なお、各小見出しの横には、対応するPMBOKガイドの章を記載していますので、PMBOKガイドを学習する際の参考にご利用ください。記事の最後には演習問題を用意しました。復習にご利用ください。

[田中亮,グローバル ナレッジ ネットワーク]

はじめに

 今回は、「プロジェクト人的資源マネジメント」の知識エリアです。特にITプロジェクトは、プロジェクトの作業が人の力で進んでいきますので、「人的資源」のマネジメントは非常に重要です。

 まず、この知識エリアのプロセスを表1に示します。これまでの知識エリアと異なり、今回は実行プロセス群のプロセスが多いのが特徴です。それでは、各プロセスの特徴を見ていきましょう。

立ち上げプロセス群

 なし

計画プロセス群

 人的資源計画

実行プロセス群

 プロジェクト・チーム編成

 プロジェクト・チーム育成

監視コントロールプロセス群

 プロジェクト・チームのマネジメント

終結プロセス群

 なし


表1 プロジェクト人的資源マネジメントのプロセス

最初はマネジメント方針の策定から 〜「人的資源計画」プロセス(第9章1項)

 この知識エリアのプロセスも、スコープマネジメント(「プロジェクト全体の成否を左右する、スコープ」)や品質マネジメント(「品質とは要求を満たすこと」)同様、マネジメント方針の策定から始まります。「人的資源計画」プロセスでは、プロジェクトに参画する要員のマネジメント方針の策定を行います。まずは、各要員の役割と果たすべき責任を定義しなければなりません。併せて個々の要員が持つ権限についても定義します。

 また、要員をどのタイミングで調達し、どのように育成するかをまとめた「要員マネジメント計画書」を作成します。すでにご紹介したタイムマネジメントの知識エリア(「計画命のタイム・マネジメント」)の「アクティビティ資源見積もり」プロセスにおいて、プロジェクト作業に必要な資源の見積もりを行っていますので、そのアウトプットである「アクティビティ資源に対する要求事項」をどのように満たすのか、また、どのようにチームビルディングを行っていくのか計画をまとめていきます。

プロジェクト・メンバーを任命してチームを編成する 〜「プロジェクト・チーム編成」プロセス (第9章2項)

 要員マネジメント計画書を作成したら、マネジメント方針に基づいてメンバーを調達します。このプロセスは実行プロセス群に分類されるため、プロセスの「ツールと技法」に着目するとプロセスの内容を理解しやすいと思います。具体的には、「先行任命」「交渉」「調達」「バーチャルチーム」です。

 例えば、ITプロジェクトでは、特定の技術を持っているメンバーがあらかじめアサインされていることがあります。これが「先行任命」です。メンバーのアサインについては、要員の任命権を持つ機能マネージャとの「交渉」や外部からの「調達」が必要となります。最近では、テレビ会議や電子メールなどを利用して遠隔地にいる要員もメンバーに加えることができるようになりました。これを「バーチャルチーム」といいます。これらの活動の結果、要員が任命され、資源の可用性が更新されます。

プロジェクト・チームビルディング 〜「プロジェクト・チーム育成」プロセス(第9章3項)

 プロジェクト・チームを編成して、チームとして最高のパフォーマンスを挙げるためには、チームビルディングが不可欠です。具体的には、トレーニングを通じてメンバーに必要なスキルを身に付けさせたり、メンバー間の交流を深めるための活動を行ったりさまざまな取り組みが必要となります。そのためにプロジェクトマネージャ(PM)には、リーダーシップやコーチングなど、一般的なヒューマンスキルが求められます。

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