サーバ仮想化の必然とVMwareVMware Infrastructure 3 徹底入門(1)(2/3 ページ)

» 2008年07月23日 00時00分 公開

VMwareの仮想マシン

 仮想マシンの実行環境を提供するソフトウェアにはさまざまなものが存在するが、VMwareはその中でも主流の存在といってよいだろう。ヴイエムウェアは1998年に米国カリフォルニア州パロアルトに設立され、翌年の1999年に「VMware Workstation」という製品を出荷開始した。当初はデスクトップ系の製品であったが、その後はサーバ用途の製品を拡充し、現在ではエンタープライズ規模のITインフラを仮想マシンで構築することを想定した製品「VMware Infrastructure 3」を主力製品の1つとしている。

 利用したことがあるユーザーなら同意していただけると思うが、VMwareの仮想マシンは高速である。仮想マシンを導入するに当たっての1つの懸念はその性能的なオーバーヘッドではないかと思うが、VMwareの場合、処理内容にもよるが物理マシンを利用したときと同様の性能を得られる場合が多い。

 その一方で、同時に高い信頼性も備えている。仮想化レイヤを入れることで安定性が低下することを懸念される場合もあるかと思うが、むしろ逆に安定性・信頼性が向上したという声が多い。ベースとなる仮想化レイヤ自体が非常に堅牢であるということに加え、仮想化することによってマシンの取り扱いやすさが飛躍的に向上し、適切なオペレーション、適切なバックアップ・リストアなどが非常に容易になるからだ。

 このようなさまざまな背景もあり、データセンターにおけるサーバ仮想化ソフトウェアとして、VMwareはデファクトスタンダード的な存在になりつつある。本連載では、VMwareの製品の中でもフラッグシップの位置付けにある VMware Infrastructure 3について解説する。

VMware Infrastructure 3 とは何か

 実は「VMware Infrastructure 3」といった場合、大きく分けて以下の 2 つの製品のことを指している。

  • VMware ESX
  • VMware VirtualCenter

 VMware ESXは仮想化そのものを行う製品である。個々の物理マシンにインストールされ、仮想マシンの実行環境そのものを提供する。

 VMware VirtualCenterは管理アプリケーションである。VMware ESX を1台だけで利用するというケースは少なく、通常は複数台のVMware ESXを導入してインフラストラクチャを構成する。このためインフラ全体を管理するためのアプリケーションが必要となる。これがVMware VirtualCenterである。VMware Infrastructure 3の大きな特長となっている VMotion、DRS、VMware HAなどの機能を利用するには VirtualCenterが必須となるため、基本的にはESXの導入時にVirtualCenterも導入することになる。

 VMware Infrastructure 3とは、VMware ESXとVMware VirtualCenterを組み合わせることによって実現される仮想インフラストラクチャ環境、ということができる。

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