災害復旧システムを柔軟に組めるSRMを4社が検証SAPがアプリケーションベンダとして参加

» 2008年09月24日 00時00分 公開
[三木泉,@IT]

 SAPをはじめとする4社が、2008年中に国内で販売開始される「VMware Site Recovery Manager」(SRM)の検証を国内で実施した。

 SRMはヴイエムウェアのサーバ仮想化ソリューションを使った災害復旧支援ツール。メイン拠点で業務システムを仮想マシンとして稼働し、そのデータをバックアップ拠点へ常時レプリケーション(複製)しておくと、メイン拠点に災害などが発生して機能が停止した場合に、バックアップ拠点で複製されていたデータを基に、仮想サーバとして同一のシステムを立ち上げ直して業務を継続できる。SRMはこの一連の作業を自動化することができる。

 SRMは仮想サーバを用いるため、メイン拠点とバックアップ拠点のサーバ機が同一の機種や構成である必要がない。また、業務システムを稼働したまま、これに影響を与えることなく復旧テストを実施できるというメリットがある。データのレプリケーションはストレージ製品が備える機能を使って行う。

 SAP、インテル、ネットアップ、ヴイエムウェアの4社は、SAPが7月に東京に設置した「SAP Co-Innovation Lab Tokyo」(COIL Tokyo)で、SAPの本番稼働環境をバックアップ拠点で再立ち上げする一連のプロセスを検証した。

「この種の検証はインフラベンダのみが参加するケースが多いが、今回はアプリケーションベンダがインフラベンダに声をかけて実施したことに大きな意味がある」とネットアップのマーケティング本部 ソリューションマーケティング部 部長 阿部恵史氏は話す。

 特にSAPでは、多くのモジュール(インスタンス)が稼働する。今回の検証ではこれらのインスタンスをすべてバックアップ拠点側で再立ち上げするところまで検証できたことが大きいという。

4社による検証の構成

 この検証ではメイン拠点側の物理サーバ2台、バックアップ拠点側の物理サーバは1台で構成。メイン拠点側は2コアのXeonを4基搭載のサーバと4コアのXeonを4基搭載のサーバで、バックアップ側はインテルが9月16日に発表した6コアのXeonを4基搭載したサーバを使っている。6コアXeon搭載サーバを使ってバックアップ拠点のサーバ数を減らせば、消費電力の観点からも有利という。

 レプリケーションにはネットアップのFAS 3000で「SnapMirror」を利用。ネットアップはさらに、筐体内のデータ複製機能「FlexClone」を利用してバックアップ拠点側に転送された本番データをコピーし、これをテストやQA(品質管理)に利用することもできる点をアピールしている。

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